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「ダルビッシュよりも上」の前評判。
田中将大はヤンキースかドジャース?
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![渡辺史敏](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/6/3/-/img_63c0172edf1a3eec5d5017836b5eb9301895.jpg)
渡辺史敏Fumitoshi Watanabe
photograph byHideki Sugiyama
posted2013/11/12 10:30
![「ダルビッシュよりも上」の前評判。田中将大はヤンキースかドジャース?<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/a/5/700/img_a550d9c259493fede0eed4a9204f68ae420018.jpg)
派手なガッツポーズがメジャー行きで心配されるという瑣末な話題もあったが……。「気分はもうメジャー」なのは田中ばかりでなく、ファンも同様だろう。
今オフ、メジャーリーグへの移籍が強く噂されている楽天の田中将大投手。その田中に対してアメリカでも急速に関心が高まっており、数多くのメディアがその実績と移籍について報道している。
なかでも早くからヤンキースが田中を狙っていると伝え続けているのがニューヨークの地元紙『ニューヨーク・ポスト』だ。
先月10日にはヤンキース担当のジョージ・A・キング記者が「ヤンキースが日本人投手に大きく賭けることを望んでいる」という記事を掲載し、ヤンキースが獲得に動いていることを示唆した。
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この記事でも指摘されているが今シーズン、ヤンキースは先発陣が崩壊したうえ、アンディ・ペティットが引退、実質エースだった黒田博樹には年俸1410万ドルを提示したが再契約できるか不明で、先発投手で契約が残っているのはCCサバシアとイワン・ノバの2人だけの状態なのだ。先発を任せ、勝ち星が読める投手の補強は必須なのである。
田中獲得の本命は“金満球団”ヤンキース!?
そうした背景を受けて同記事では「ヤンキースは彼を何度も見てきた。ボストンとテキサス、ドジャースも獲得に動くだろう。この選手はとても良い」というスカウトの証言を掲載。さらに別のスカウトの証言として獲得コストはポスティング費用と田中との契約を合わせるとレンジャーズがダルビッシュ有獲得時に支払ったポスティングの6000万ドル、6年契約年俸総額5170万ドルを合わせた1億1170万ドルを超えるだろうとの意見も紹介していた。そのスカウトは「田中はダルビッシュより上」と評価したとのことだ。
さらに同記者は今月2日にも続報記事を掲載し、日本シリーズでの活躍などを報じたうえで、田中獲得の魅力としてポスティング費用の秘密を明かしている。
メジャーリーグではいわゆる“ぜいたく税”制度が採用されており、選手年俸の総額が1億8900万ドルを超えた場合リーグに罰金であるぜいたく税を支払わなくてはならない。しかしポスティング費用はこの年俸総額にカウントされないのである。つまり金満球団と言われつつもここ数年支払総額を絞っているヤンキースにとって田中獲得はぜいたく税対策の点でこのうえなく魅力的、というわけなのだ。
こうした事情もあり、同紙のみならずニューヨークのメディアの多くがヤンキースが田中獲得の本命と報じている。