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「ダルビッシュよりも上」の前評判。
田中将大はヤンキースかドジャース?
text by
渡辺史敏Fumitoshi Watanabe
photograph byHideki Sugiyama
posted2013/11/12 10:30
派手なガッツポーズがメジャー行きで心配されるという瑣末な話題もあったが……。「気分はもうメジャー」なのは田中ばかりでなく、ファンも同様だろう。
ドジャースも「とても関心がある」と明言。
では対抗はどこか……最も有力なのはドジャースだろう。
ドジャースも選手年俸総額が多いチームと知られ、今シーズンもヤンキース以外で唯一2億ドルを突破したチームだった。財力では劣っていないのである。
実際ロサンゼルスの地元紙『ロサンゼルス・タイムズ』は先月29日付けで「ドジャースが日本のスター投手マサヒロ・タナカを追っている」という記事を掲載し、獲得への動きを報じた。
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同記事によればドジャースは田中獲得の意志を隠しておらず、記者会見でネッド・コレッティGMはこの件を問われると「我々は彼を何度も視察しており、彼にとても関心がある」と明言したということだ。そしてやはり獲得費用に関してはダルビッシュを超えるだろうと予想しているのである。
ただ田中獲得に動いているのはこの2チームだけではない。同紙のマイク・ディジオバンナ記者は今月4日にツイッターで同じロサンゼルス地区を本拠にするエンゼルスのジェリ-・ディポートGMも田中を複数回視察したと語ったことを投稿した。
さらに先の証言にあったレッドソックス、レンジャーズに加え、カブスも獲得に動いているというのがもっぱらの噂となっている。
日本シリーズでの肩の負担を心配する声も。
と、田中の評価はうなぎ登り状態なのだが一抹の不安を示しているメディアもないではない。ニューヨークの老舗紙『ニューヨーク・タイムズ』は今月3日付けで「160球を投げた翌日、タナカは日本シリーズを閉めた」という記事を掲載し、日本シリーズ第6戦で160球を投げて負け投手となった翌日、第7戦で15球を投げて胴上げ投手となったことを紹介。これに対して「彼の腕を心配している」というスカウトのコメントを載せているのだ。
確かに160球投げること自体がアメリカでは信じられないことなのに、その翌日もとなると驚きでしかないだろう。しかもこれから高評価、高額でメジャーリーグ入り、と期待されているなかでは心配の声が出るのも当然だ。
こんななか、ポスティング・システムの見直し作業が遅れてしまっているのは高まる期待と獲得への機運に水を差すことになりかねない。なんとか早く決着し、田中のメジャー移籍への道が開かれることを祈るばかりだ。