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斎藤、大石、澤村に続く逸材を紹介。
来季ドラフトも大学生投手が大豊作! 

text by

小関順二

小関順二Junji Koseki

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photograph byNIKKAN SPORTS

posted2010/12/06 10:30

斎藤、大石、澤村に続く逸材を紹介。来季ドラフトも大学生投手が大豊作!<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS

10月22日、亜大を2安打完封した東洋大の藤岡貴裕投手。亜大・東浜とのエース対決を制し、3試合連続、今季5度目の完封を達成した

3年生時に急成長した東洋大・藤岡の投球術の凄さ。

 最後に取り上げるのが左腕・藤岡貴裕(東洋大)である。

 先日(11月28日)、雑誌の取材で肉声に触れたこともあり、その印象は鮮烈。まず、東都大学野球リーグでの年度ごとの成績を紹介しよう。

●東洋大での戦績
 年度   季   試合   勝/敗   イニング   安打   三振   四死球   自責点 
 '08年   春   1   0/0   1回2/3   2   2   1   0 
     秋   4   1/1   14回2/3   13   12   7   2 
 '09年   春   4   1/0   21回2/3   19   19   7   7 
     秋   5   2/2   19回2/3   15   25   7   5 
 '10年   春   7   6/1   50回2/3   32   51   14   6 
     秋   9   6/2   73回   30   81   21   8 
                 
 合計       30   16/6   181回2/3   111   190   57   28 
                 
 防御率 1.39 

 3年になった2010年から成績が急激に上昇しているのがおわかりいただけると思う。ここで藤岡は明らかにピッチングのコツを掴んでいる。具体的には掲載誌『アマチュア野球』(日刊スポーツ出版社)を読んでもらうほかないが、ヒントは同誌の前号で取材した伊志嶺翔大(ロッテ1巡)の言葉にもある。

小関 「藤岡からも打ってますね。藤岡はよく150キロがどうとかこうとか言うけど、そういう投手じゃないですよね」

伊志嶺 「はい、さっき言ってた間(ま)が藤岡は長いんです。踏み出す時の……普通のピッチャーだったらそのままくるところを、間が長いんで。それプラス、縦回転の変化球がくるんで、バッターは差し込まれることが多いんです」

 このやりとりを紹介する前、筆者はステップの重要さについて次のような文章で説明した。

「安定して打つ選手は、探るようにステップを出してさまざまなタイプの投手に対応しようとし、反対に安定して打者を打ち取る投手は、ステップする時間を調節して打者のタイミングを外そうとする。

 分かりやすく言えば、ステップする時間が長ければ、その時間の中で相手投手のステップ(タイミング)に合わせることができる、という理屈になる。」

 さらに、前田健太(広島)が13勝目を挙げたときの大野豊投手コーチのコメントも引用して、間の重要さを伝えようとした。

「打者の狙いを分かっていて、タイミングを変えられる。そういう間がある」(9月10日付け日刊スポーツ)

 彼らの言葉から現在の藤岡のもの凄さが浮かび上がってくると思う。

 MAX150キロのストレートは確かに速いし、カーブ、スライダー、カットボール、フォークボールの持ち球もキレ味があって、コントロールも安定している。しかし、それだけではない。藤岡にしかないステップワークこそ、藤岡を藤岡たらしめている最大の要素なのである。

 以上、投手6人に伊藤隼太(慶大・外野手)、土生翔平(早大・外野手)、岡崎啓介(立大・二塁手)、井上晴哉(中大・一塁手)、鈴木大地(東洋大・三塁手)たち野手が加わって、'11年ドラフトは華やかに展開していくだろう。

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