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日本人メジャー選手による、
ある偉大な記録が大ピンチ!? 

text by

菊地慶剛

菊地慶剛Yoshitaka Kikuchi

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photograph byKYODO

posted2010/08/24 10:30

日本人メジャー選手による、ある偉大な記録が大ピンチ!?<Number Web> photograph by KYODO

 つい先日起こった、メジャー球界を代表するスポーツジャーナリストの1人ピーター・ギャモンズ氏の、イチローを巻き込んだツイッター事件について触れてみたい。

「イチローが球団オーナー(山内溥氏)にボビー・バレンタイン氏を次期監督に推している」と、件のジャーナリストがツイッターでつぶやいたことが発端のこの事件。すでにイチローの反論もことの顛末も各メディアでさんざん報じられているのでご存知のことだと思う。シーズン半ばで監督が解任され、早くもストーブリーグの話題が飛び出してしまうのも、チーム不振がもたらした負の連鎖と言ってしまえばそれまでなのだが、イチロー、およびチーム全体に与えた悪影響は相当なものだったのだ。こちらのメディアで表現されている“distraction(動揺)”以外の何ものでもない。

 アメリカの一部報道にもあるが、輝かしい経歴を持つ野球殿堂入りまでした記者が憶測記事を書くとは思いたくないのだが……当のジャーナリスト氏がハッキリとその取材内容を説明しないので真相は結局藪の中なのだ。だが、それ以上に問題なのが、本来ならシーズン終了までチームを野球に集中させるべきところを、メディアを利用して逆に動揺をもたらそうとしているマリナーズ内部関係者が確実にいるということだ。

 なぜこの時期にリークする必要があるのか?

 現場にいるコーチや選手たち、特にメジャーの歴史を塗り替えようとしているイチローに対する配慮のなさ、身勝手さに怒りすら憶えてしまう。

不振が続く日本人メジャーリーガーは復活するのか?

 さて、シーズンも残り1カ月近くになった8月半ば過ぎになっても、依然として日本人選手たちの華々しい活躍が聞こえてこない。

 以前このコラムで、期待を込めながらも様々なデータを駆使しつつ松井秀喜の夏以降の爆発を予測してみたのだが……結局データは未来を100%予測できないことを実証しただけに終わってしまった(無念)。

 不振が続く松井秀もそうだが、高橋尚成などある程度頑張っている選手がいても、チームが低迷しているとどうしても評価まで下がってしまいがちだ。黒田博樹に至っては、チーム首脳陣から過去2年間より投球内容が格段に成長していると高く評価されながらも、実際の数字が伴わないという無情な結果が続いている始末だ。

 そんな状況もあって、長らく注目してきた日本人選手たちの“ある”連続記録が今シーズンで途絶えてしまう危機を、最近気にかけている。

 それは、2002年から続く日本人選手の連続ワールドシリーズ出場記録だ。

    2002年 新庄剛志(ジャイアンツ)
    2003年 松井秀喜(ヤンキース)
    2004年 田口壮(カージナルス)
    2005年 井口資仁(ホワイトソックス)
    2006年 田口壮(カージナルス)
    2007年 松坂大輔、岡島秀樹(レッドソックス)、松井稼頭央(ロッキーズ)
    2008年 岩村明憲(レイズ)、田口壮(フィリーズ)
    2009年 松井秀喜(ヤンキース)

【次ページ】 チームの勝利を最優先するという日本野球の神髄。

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