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2013年、柏レイソルは生まれ変わる!
ACL初戦勝利で見せた「成長」の証。  

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細江克弥

細江克弥Katsuya Hosoe

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photograph byGetty Images

posted2013/02/28 12:40

2013年、柏レイソルは生まれ変わる!ACL初戦勝利で見せた「成長」の証。 <Number Web> photograph by Getty Images

虎の子の1点を奪ったクレオ(写真中)とレアンドロ・ドミンゲス(左)。柏は、高さに勝る貴州のロングボール攻撃に苦しめられたが、システムを変更するなど柔軟に対応し、勝利に結びつけた。

「自分たちでも分かっている課題を修正する時間がない」

 2012年シーズン序盤――。リーグ戦の6試合を2勝3敗1分け、ACLグループリーグの4試合を1勝2敗1分けという成績で迎えた4月半ば、DF近藤直也はその時の苦悩を次のように話している。

「その時はあまり気にならなかったけど、ACLの初戦で負けてしまったことが大きかった。練習試合もろくにできない状況でシーズンの開幕を迎えて、新しくチームに入った選手がレイソルのサッカーを理解する時間もない。試合をやれば課題は浮き彫りになるけど、試合と遠征の繰り返しで修正する時間がないんです」

 つまりリーグ戦にACLの戦いを挟む日程の難しさは、課題を発見し、それを修正する時間の少なさにあるということだ。近藤が続ける。

「連戦ということで疲労感のことをよく聞かれるんですけど、肉体的な疲れはほとんど感じないですよ。アウェーでやる試合は新鮮だし、初めての相手と戦うこともモチベーションにしかならない。ただ、とにかく自分たちでも分かっている課題を修正する時間がない。特にレイソルは、ネルシーニョ監督になってから修正する時間をきっちり取ってきたので、それができないのが痛いですね」

スタートダッシュの失敗が最後まで尾を引いた2012年シーズン。

 チームは5月と6月に一度大きく盛り返したものの、ACLのベスト16では蔚山現代の徹底したロングボール戦術と高さの前に完敗。リーグ戦でも8月以降、勝ち切れない試合が続き、徐々に順位を落としていった。

 シーズン終盤には大混戦となった上位争いに再び加わったが、猛追及ばず6位でフィニッシュ。2010年のJ2、さらに2011年のJ1で快進撃のきっかけとなったシーズン序盤のスタートダッシュに失敗したことが、最後まで尾を引いた形だった。

 しかし、J1連覇という目標の実現が難しい状況になった終盤においても、選手たちは「絶対に諦めない」という言葉を繰り返していた。中でも、GK菅野孝憲の言葉は印象的だった。

「去年のクラブW杯や今年のACLで、チームの成長速度が急激に上がったことを感じることができました。やっぱり、舞台が大きくなったり、レベルが上がることで得られる経験は全く違う。だからこそ、僕たちはもう一度あの舞台に立たなければならないんです。僕らが成長のスピードを上げるためには、やっぱりもっと意識的に、意欲的に戦わないと。今までの倍じゃ足りないと思います。そういう気持ちはすごく強いですね」

 キャプテンの大谷秀和もこれに同調した。

【次ページ】 毎年ACLに出ることが成長のための最低限のノルマ。

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