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<五輪、WBCで背負ったもの>
杉浦正則×谷繁元信 「日の丸の重みを語ろう」
text by

石田雄太Yuta Ishida
photograph byHideki Sugiyama
posted2013/02/28 06:00

2つのメダルを持ち帰った“ミスター・アマチュア”。
そして、プロだけで編成された第1回WBCで
優勝の歓喜を味わった球界ナンバー1キャッチャー。
対照的な二人が語る、「あるべき日本代表」の姿とは。
背負っているのは日の丸だ。
その日の丸は、重いと言われる。
バルセロナ、アトランタ、シドニーと、オリンピックで3度、日の丸を背負った“ミスター・アマチュア”こと杉浦正則(日本生命)は、その重さについてこう話した。
「僕にとっての“全日本”は寄せ集めのチームじゃなかったんです。4年に一度のオリンピックへ向けて、4年かけて本気でチームを作る。合宿を繰り返して、選手をふるいにかけて、やっとメンバーが選ばれる。それだけの長い時間をかければ、チームにいろんな人の思いが詰まっていくじゃないですか。何としてもこのチームに入りたい。入れたら、入れなかった選手の思いを背負うことになる。僕らの“全日本”はそういう重みのある、しかもその思いが長く続く場所でした」
今から7年前のことだ。
2006年3月19日。杉浦は自宅のテレビでWBCの準決勝を見ていた。杉浦が気にかけていたのは、この試合、スターティング・ラインアップから外れた福留孝介のことだった。杉浦はアトランタオリンピックのとき、当時19歳だった日本生命の後輩、福留を叱り飛ばしたことがある。
「アトランタのときって、最初は本当にどうしようもないチームだったんです(苦笑)。オリンピックの舞台をプロになるための自己アピールの場だと考えるような若い選手がたくさんいましたから。確かに孝介に僕、キレましたね(笑)。
こちらは雑誌『Number』の掲載記事です。
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