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12年越しの「1勝1分1敗」の夢なるか。
デンマークに長友と駒野が狙われる? 

text by

木崎伸也

木崎伸也Shinya Kizaki

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photograph byTakuya Sugiyama/JMPA

posted2010/06/23 11:30

12年越しの「1勝1分1敗」の夢なるか。デンマークに長友と駒野が狙われる?<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama/JMPA

170cmの長友、172cmの駒野がいるサイドが狙われる?

 たとえば、彼らがハイボールを多用してきたら?

 日本の2人のセンターバック、闘莉王と中澤佑二は空中戦に強く、ハイボールに対してはそれほど心配する必要はない。

 しかし、サイドバックとなると、話は違ってくる。長友佑都(170cm)と駒野友一(172cm)はヘディングに強いとは言えない。ベントナーがファーポストに流れ、そこに正確なクロスが入って長友や駒野と競る状況を作られるとまずい。

 ここで2006年W杯の、0-0で引き分けたクロアチア戦を比較サンプルとして出そう。

 あのときクロアチアは、センターバックの宮本恒靖をハイボールで狙わなかった。大会後、キャプテンのニコ・コバチに理由を訊くと、彼はこう答えた。

「日本の弱点を突くために、自分たちのスタイルを捨てるなんて全く考えなかった。自分たちのサッカーをする方が、勝つ可能性は高くなると考えていたからだ」

“ドーハの悲劇”や“ジョホールバルの歓喜”と並ぶ試合。

 もしデンマークが、クロアチアと同じように日本を“格下”と見るなら、彼らがサイドバックを目がけたロングボールを多用することはないはずだ。

 だが、日本を同等レベルのチームと見たら? どんどん長友と駒野を狙うはずである。日本は相手の出方によって、プランを臨機応変に変える対応力が求められる。

 これまで日本人は“ドーハの悲劇”や“ジョホールバルの歓喜”など、大きな感情の揺れ動きを味わう試合をいくつか経験してきた。

 6月24日、日本時間の深夜27時30分。南アフリカのルステンブルク。

 どんな結果に終ろうと、それに匹敵する喜び、もしくは痛みを得られる試合になることは間違いない。

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