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“最後を盛り上げる”ことが最優先!?
「J1昇格プレーオフ」のあり方を問う。 

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細江克弥

細江克弥Katsuya Hosoe

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posted2012/11/10 08:01

“最後を盛り上げる”ことが最優先!?「J1昇格プレーオフ」のあり方を問う。<Number Web> photograph by AFLO

自動昇格と優勝を圧倒的な力で決めたヴァンフォーレ甲府の伊東輝悦。ハーフナー・マイクの穴を助っ人外国人と組織力で埋め、1年でのJ1復帰となる。

年間順位が低いとプレーオフで大きなハンディが。

 3位から6位までの4クラブが1マッチで勝敗を決するトーナメントを戦い、準決勝は3位クラブと4位クラブのホームで、決勝は“中立地”である国立競技場で開催。それぞれ90分間の試合で、準決勝、決勝とも同点の場合は年間順位の上位クラブが勝者となる。延長戦やPK戦は実施されないため、つまり年間順位を3位で終えるのと6位で終えるのとでは天と地ほどの差がある。

 ちなみにこのシステムは、世界のスタンダードとなりつつある。昇降格に関するシステムは世界各国でも様々な方法が採られているが、例えば、欧州4大リーグでは次のようなシステムが採用されている。

リーグ戦の結果を反映せず“最後を盛り上げる”ことの意味とは?

<イングランド>
上位2クラブに加え、3位から6位の4クラブで行われるプレーオフの優勝クラブが昇格。

<スペイン>
上位2クラブに加え、3位から6位の4クラブで行われるプレーオフの優勝クラブが昇格。

<ドイツ>
上位2クラブが自動昇格。3位のクラブは1部リーグ16位(下から3番目)のクラブとホーム&アウェー方式の入れ替え戦に臨み、勝者が昇格。

<イタリア>
上位2クラブに加え、3位から6位の4クラブで行われるプレーオフの優勝クラブが昇格。ただし、3位と4位のクラブの勝ち点差が10以上離れている場合はプレーオフを行わず、3位クラブの自動昇格となる。

 残された最後の昇格枠をめぐって4クラブがトーナメント方式で戦うのだから、史上稀に見る激闘が繰り広げられることは間違いない。ただし気になるのは、どんなに年間順位の優位性を保つ工夫を凝らしたとしても、「リーグ戦の6位クラブが3位クラブを逆転する」可能性があることである。1年間に及ぶリーグ戦の結果をそのまま反映することなく“最後を盛り上げる”ことに、果たして大きな意味があるのだろうか。

 懸念するところの「6位が3位を逆転する可能性」については、昨シーズンのイタリアでまさにその大逆転劇が起こった。

【次ページ】 一発逆転というエンターテインメント性は十分だが……。

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