ロンドン五輪代表、最大の挑戦BACK NUMBER
主力に休養、サブの選手にやる気を!
ホンジュラス戦で注目される関塚采配。
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byRyosuke Menju/JMPA
posted2012/08/01 12:15
「(D組の)1位、2位が決まる試合で、一番厳しい試合になる」とホンジュラス戦を前にコメントした関塚監督。「そのときのベストのメンバーで戦いたい。これからは総力戦になる。今日は(サブメンバーの)良いトレーニングができた」とスタメン変更も匂わせた。
日本にとって、グループリーグ最終戦のホンジュラス戦は、単純にイケイケで勝利を目指すという試合にはならないだろう。
日本は現在、D組の首位である。そのまま決勝トーナメントに進出した場合、C組の2位と対戦することになる。
C組の現時点での首位はブラジル(勝点6)、2位はベラルーシ(勝点3)、3位はエジプト(勝点1)だ。最終戦、ブラジルは1敗1分けで4位のニュージーランドと対戦することになっており、ここで敗戦するというのは現実的に考えにくい。「メダル獲得のためには、まだブラジルとはやりたくない」と、山口螢はいったが、そのブラジル戦を回避するためには、日本は首位通過という条件が必要になってくる。
そうなると準々決勝は、ベラルーシかエジプトということになる。ベラルーシとは大会直前の親善試合、エジプトとはトゥーロン国際大会で戦っている。対策を講じやすい相手と戦えるのだ。
メダルを狙うなら……主力を休ませ、サブに出場機会を!
幸い、日本はホンジュラスに引き分け以上で、首位通過が決定する。
2連勝した恩恵により、勝たないと首位に立てないホンジュラスよりも気持ち的には余裕を持って戦える。しかも、ブラジル戦の結果を受けて戦えるので、“大番狂わせで万が一ブラジルが敗戦”しても狙いを定めて戦うことができる。
そのためホンジュラス戦は、試合内容や結果そのものを重視するというよりもメダル獲得のための準備や有利な条件を得るための試合となりそうだ。
準備という観点で言えば、まずは主力に休養を与え、サブメンバーを起用していくべきだろう。
モロッコ戦は、スペイン戦の疲労が抜け切らず、前半は動けずに苦戦した。準々決勝からも中2~3日で試合が継続していく。ある意味、メダルへの道は体力勝負でもあるので、コンディションの維持が不可欠になってくるのだ。
また、控えメンバーは、これからの試合で必ず鍵を握る存在になる。
ゴールが欲しい時、試合の流れを変える時に投入されるのはもちろん、スペイン戦の酒井宏樹の怪我で酒井高徳がモロッコ戦に出場したように、怪我や累積警告による出場停止などで、機会が必ずやってくるからだ。