ロンドン五輪代表、最大の挑戦BACK NUMBER
関塚ジャパンが初めて“全員集合”!
ベラルーシ戦勝利の意味を考える。
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byPress Association/AFLO
posted2012/07/19 11:30
フル出場で攻守ともに活躍した酒井高徳と、貴重な決勝点を決めた今大会の“ラッキーボーイ”最有力選手の杉本健勇。杉本のゴールを酒井が称えたシーン。
16本シュートを打って1点しか取れなかった攻撃。
コンディションアップの道筋は見えたが、16本シュートを打って1点しか取れなかった攻撃には、課題が残った。
この試合では攻撃のテーマとして「サイドで作り、逆サイドに振って勝負する」というやり方が徹底されていた。何度もチャレンジしたように見受けられたが、スピード感に欠け、相手にも対応されていたように思う。
これは、全体の攻撃に通じることなのだが……どうも試合のリズムが単調なのだ。
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宇佐美のように変化を付けられる選手はいるが、時間や余裕を作れる選手が他にあまりいない。ラストパスの精度、決定力の問題も残るが、そこをどうするのか。
またセットプレーでも、あえて策を見せなかっただけなのかもしれないが、単純に放り込んでいるだけであった。世界を相手にする五輪のような大きな大会では、セットプレーは貴重な得点チャンス。もう少し詰めていく必要があるだろう。
試合後、関塚監督は「勝ったことが大きな収穫」と言ったが、残り5分となった時点で、しっかり勝ち点を取ろうという意識が全ての選手のプレーから読み取れた。
また、2つのテーマを確認することが出来たのは大きな収穫だったが、この勝利にはそれ以上の意味もあったと思う。失点する不安や勝ち切れない不安、コンビネーションがうまくいかない不安など、それぞれの疑念を五輪本番直前にわずかでも払拭できたところに、この試合の勝利の真の意味がある。