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三浦知良×澤穂希 「キングとクイーンの約束」~なでしこのみなさんを食事に招待します~
text by
Number編集部Sports Graphic Number
photograph byMegumi Seki
posted2012/07/18 16:00
対談が、7月19日発売の『Number』808号で初めて実現しました!
日本女子サッカー界の悲願ともいえる金メダルに挑む澤穂希に、
三浦知良はどんな言葉を贈るのか――。
カズ 「めまい症」はもう大丈夫なのかな。
澤 100パーセント大丈夫です。
カズ それを聞いて安心したよ。だけど澤さんにとって、ピッチの外から一度サッカーを見られたことは良かったと思う。
澤 確かにいろいろ感じることがありました。チームの状態を客観的に見ることができましたし、出られなかった日々はすべてがマイナスではなかったですね。
2人の出会いは約20年前に遡る。1991年、中学1年生の時に読売サッカークラブ女子・ベレーザ(現日テレ・ベレーザ)に入団した澤は、すぐ傍で練習する読売サッカークラブ(現東京ヴェルディ)のカズを憧れのまなざしで見つめていた。
ブラジルから帰国直後、「日本をワールドカップに連れて行く」と宣言したカズは、'93年のJリーグ開幕を成功させ、“ドーハの悲劇”を乗り越えて、スーパースターへの階段を駆け上がっていく。
一方の澤も'93年に女子日本代表デビューを果たし、'96年アトランタ、2004年アテネ、'08年北京五輪に出場する。2人にとって日本代表は特別なものである。
まだ15歳という年齢で、大きな挑戦をしていたふたり。
カズ 周りは僕を不動の日本代表のレギュラーだと思っていたかもしれないけれど、自分としては違った。だから怪我をしていても代表の招集だけは絶対に辞退しなかった。
澤 すごくよく分かります。代表には指定席なんてないですからね。私も中学3年生で初めて代表に呼ばれたんですが、生意気な15歳で、試合に出られないのが悔しくてものすごく練習しました。
カズ お互い15歳のときに、大きな挑戦をしていたんだね。澤さんは今もその気持ちは変わらないでしょう。
澤 まったく変わらないですね。代表という願いが叶うと、ワールドカップ、オリンピックと夢がどんどん大きくなりました。