ロンドン五輪代表、最大の挑戦BACK NUMBER
関塚ジャパンが初めて“全員集合”!
ベラルーシ戦勝利の意味を考える。
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byPress Association/AFLO
posted2012/07/19 11:30
フル出場で攻守ともに活躍した酒井高徳と、貴重な決勝点を決めた今大会の“ラッキーボーイ”最有力選手の杉本健勇。杉本のゴールを酒井が称えたシーン。
トゥーロン優勝のメキシコとの次戦で、守備力が試される。
OA枠の選手が入った守備のベースはうまくできつつあるようだが、スペイン戦では押し込まれる時間が長くなることは間違いない。守勢に回った時、破綻なく守れるのかどうか。
トゥーロンで優勝し、金メダル候補の一角と言われている次のメキシコ戦で、チームの本当の守備力が試されることになるだろう。
宇佐美は、4-2-3-1の「3」のトップ下に入った。1トップの大津を始め、清武と永井をどう使うのかが注目されたが、仕掛けるという持味は出ていた。
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サイドに流れて仕掛けてチャンスを作っていたし、いつもなら縦にドリブルでいくところもコンビネーションを確認しているのか、あえてパスを選択し、チームメイトを使っていたのが目についた。コンビネーションはまだ100%とは言えないが、関塚監督にとっては、スタメンで使えるメドがついたことだけでも相当に大きかったはずだ。
宇佐美同様、評価を上げたのは、杉本健勇だ。
ニュージーランド戦から2試合続けてゴールを決めた。型はどうあれ、ストライカーとしては決めることが最重要であり、さらに言うと、FWは一度でも決めると調子に乗ってくる。本人にも実際に勢いが出てきており、サプライズ選出以来、関塚ジャパンのラッキーボーイになりつつある。
選手たちのコンディションは、全体的に順調な仕上がり。
今試合のもうひとつの大きなテーマであるコンディションだが、国内合宿の時点では、関塚監督は「バラつきがある」とこぼしていた。平たく言えば国内組と海外組にまだ差があったということなのだが、ベラルーシ戦ではそこにも配慮していたように思える。
国内組の選手は、7月7日のJリーグから11日のニュージーランド戦、15日のJリーグ、そして今回のベラルーシ戦と4連戦になる。そのため本当はもう少し見たかったであろう前半の選手たちを、きっちり45分で交代させたのだ。
逆に、ニュージーランド戦に出場していない海外組の吉田、宇佐美は後半途中まで出場させた。酒井高にはフル出場を課し、コンディションとともに、コンビネーションを確認させた。試合を通しても特に不調に見える選手もおらず、これからさらにコンディションは上がっていくだろう。