フェアウェイの舞台裏BACK NUMBER
世界のトップゴルファーが参戦する、
日本女子ツアーの新しい時代、到来!
text by
雨宮圭吾Keigo Amemiya
photograph byGetty Images
posted2012/07/06 10:30
世界トッププレイヤーであるミシェル・ウィー(写真)やモーガン・プレッセル、世界ランキング1位のシン・ジエまでも参戦した5月のワールドレディス・サロンパスカップ。優勝したのは日本女子ツアーの2011年賞金女王アン・ソンジュだった。
潮目がそう簡単に変わるはずもなかった。
7週続いた海外勢の連勝に服部真夕がストップをかけたと思ったら、翌週には全美貞が初日から首位を快走。今季絶好調の強さをまざまざと示して今季2勝目を手にした。
日、韓、韓、日、日、日、日、日、韓、韓、韓、中、韓、韓、韓、日、韓。
今季女子ツアーの優勝者を開幕から国別で表すと、ちょっとしたリズムゲームができそうなほど「韓」が目白押しである。ト阿玉や具玉姫が活躍した時代にも海外勢に5連勝、6連勝を許したことはあった。だが、今回は当時のような一人勝ちではなく、毎週のように勝者が違うのが特徴。つまり、それだけ今の海外勢は層が厚い。
あぁ、また海外勢が勝ち続けるのか。全美貞の優勝を見ていた人がそう感じてしまったとしても不思議ではない。
だが、そんな風に嘆くのはもうやめにしてもいいのではないか。
外国人勢が席巻する日本ツアーのジレンマとメリット。
「トーナメントを作る側から考えると、二通りの見方ができます。興行的には『うーん……』とうなってしまうけど、マーケティング的にはプラスの側面もあります」
そう語るのはテレビ解説などでもおなじみ、多くのトーナメント運営に関わる戸張捷氏である。海外選手の流入で女子の試合は韓国や中国で数百万円の放映権料を稼ぎ出すコンテンツになっているという。これは明るい材料だ。
とはいえ、大会スポンサーにとってそうした広がりがトーナメント開催の第一義ではない。当たり前の話だが日本国内でより多く露出し、多くのギャラリーを集めて大会が盛り上がることが大事なのである。
戸張氏はジレンマを認めつつこう言う。
「将来的には韓国の企業がタイトルスポンサーになることもあるでしょう。まだなってないのがおかしいぐらい。まあ、今はなかなか空き週がなかったりする事情もありますからね」