フェアウェイの舞台裏BACK NUMBER
世界のトップゴルファーが参戦する、
日本女子ツアーの新しい時代、到来!
text by
雨宮圭吾Keigo Amemiya
photograph byGetty Images
posted2012/07/06 10:30
世界トッププレイヤーであるミシェル・ウィー(写真)やモーガン・プレッセル、世界ランキング1位のシン・ジエまでも参戦した5月のワールドレディス・サロンパスカップ。優勝したのは日本女子ツアーの2011年賞金女王アン・ソンジュだった。
女子ゴルフ界では、日本ツアーは米国に比肩する大舞台。
米女子ツアーはリーマンショックの影響もあって米国内での試合が減少し、アジアやメキシコなど他国での試合が3分の1以上を占めるようになった。
米本土ではギャラリーの数は決して多くはなく、集客力という点では日本ツアーは世界一の実力を誇る。試合数も米ツアー以上に多く、ギャラリーのマナーや運営体制もしっかりとしている。
さらに、現在の女子ゴルフ界の主力となっている台湾や韓国の選手にとって本国から地理的に近いのもありがたい。家族を呼んだり、気軽に里帰りできるという点で大きなメリットがあるからだ。
5月のワールドレディス・サロンパスカップではミシェル・ウィーが日本女子ツアー初参戦した。さらに、9月末の日本女子オープンには世界ランク1位のヤニ・ツェン(台湾)が出場することも決まった。勢いのあるツアーには有力選手が集まってくる。
欧州でもなく、韓国でもなく、女子ゴルフ界においては日本が米国と肩を並べる世界の2大ツアーになりつつあるのだ。
世界のトップ選手が“メジャー”の日本に押し寄せる!?
そうなると日米ツアーを掛け持ちするフォン・シャンシャンや朴仁妃のような選手も出てくる。
5月下旬のヨネックスレディスで優勝したフォン・シャンシャンは、その2週間後に全米女子プロ選手権を制して中国初のメジャーチャンプとなった。'08年全米女子オープン覇者の朴仁妃も、日本で勝った数週後に当たり前の顔で米ツアーでプレーオフを戦っていた。
日本ツアーに専念し続けているアン・ソンジュ、全美貞や李知姫といったおなじみの顔ぶれも、米ツアーに継続参戦すれば勝つ力は持っているはずだ。
ならば、おいそれと日本人選手が勝てないのも合点がいく。サッカー選手が欧州リーグで、野球選手がメジャーリーグで戦うのと同じように、日本の女子プロは日本にいながらにして世界最高峰の舞台で、ワールドクラスの選手と対峙しているからである。