自転車ツーキニストのTOKYOルート24BACK NUMBER

お江戸の中心部をグルッと巡る。
外堀通りは不思議な名所密集地帯! 

text by

疋田智

疋田智Satoshi Hikita

PROFILE

photograph bySatoshi Hikita

posted2012/06/27 06:00

お江戸の中心部をグルッと巡る。外堀通りは不思議な名所密集地帯!<Number Web> photograph by Satoshi Hikita

市ヶ谷駅の遠景。外堀沿いにはJR総武線など重要な鉄道も走る。ちなみに、この市ヶ谷駅から飯田橋駅の間の外堀直下には、地下鉄の広大な車庫が広がっている。

江戸時代、迷子になったら此処に集まる!?

 さて、外堀通りは、秋葉原を経由して、日本橋、日銀前に入ってくる。

 日本銀行は古めかしくも堂々とした、例の名建築なんだけど、その向かい側に常盤橋という橋がある。

 ここに日本資本主義の父にして、銀行の父、証券取引所の父、日米親善の父、と、とにかく何でもかんでも「父」の、渋沢栄一像が建っている。ま、お土地柄といえよう。

 でも、この同じ所に自転車の保管所があるのはよく分からない。保管所とは、撤去された放置自転車を一時預かりする場所のことだ。こんな一等地になぜ、と思う。お土地柄に合ってない。

八重洲、日本橋あたりは江戸時代後期の盛り場で、迷子も多かったという。江戸時代は、迷子が出たらその町が責任をもって保護するきまりになっていた。

 で、そのすぐ近くに一石橋(いちこくはし)という橋があって、特別な石標があるのをご存じだろうか。

 これ「迷子しらせ石標」というヤツで、お江戸日本橋で迷子になったなら、ここに来い、という石標なのだ。

 これはなかなか味わい深い石標でね。携帯電話どころか普通の電話自体がなかった当時、迷子が発生したら、ここにくる。会えなければ、ここに人捜しの張り紙を貼る。とにかくここに「迷子情報」は集まるという場所だった。

 会えなかった親子はどうなるんだろう。分からない。しかし、この石標が、かつての日本橋界隈の賑わいを証明していると言えば言える。

 その真ん中を通っているのが外堀通りなのだ。

 次にくるのが東京駅八重洲口である。いわば「新幹線口」。地下街あり、大丸あり、裏口でありながら、表玄関である。

 八重洲は現在再開発中で、駅前のツインタワーをはじめとして巨大ビルがにょきにょきと建っている。

 巨大な船のような施設は「東京国際フォーラム」だ。

 おや、道の左に八重洲ブックセンターがあるね。ずっと長いこと、私はこの本屋さんが好き。

 大規模書店のいわば草分けで、鹿島建設が親会社。「無い本は無い」というのが、開店当時のキャッチフレーズで、イベント性にも富んでるし、本が探しやすいし、行けば何かが手に入る、という感じ。

 私としては、10年近く前から地下1階に「自転車本コーナー」を大々的に作ってくれたところが、さらに大好き。

日本初の摩天楼を見上げながら再び赤坂へ

 有楽町、銀座、新橋と、外堀通りはチョー有名な繁華街を数珠つなぎに繋いでいく。

新橋方面から虎の門方面を望む。周りには多くの高層ビルが立ち並ぶようになったが、霞が関ビルの圧倒的な存在感はいまだ健在である。

 新橋を背にして内幸町にさしかかると、日本史上最初の“摩天楼”霞が関ビルが、目の前に巨大な壁のようにそびえ立っているのが見えてくる。

 ちなみに超高層ビルと言えば、最初に霞が関ビル(昭和43年)、次が浜松町の世界貿易センタービル(昭和45年)、で、3番目が京王プラザホテル(昭和46年)だ。

 さすがに今となっては「高いなぁ」とは思わない。周囲にもっと高い超高層ビルがいくらでもあるからね。ちなみに冒頭に出てきた「老朽化で取り壊す赤プリ」だって、このビルより階数は多いのだ。

 でも、この霞が関ビル、独特の存在感がある。

 その存在感の基本は、ひとこと、デカさだ。つまり、縦にも長いが横にも長い。ビルの総容量は50万立方メートルにも達するそうだ。が、そう言われても、あまりピンとこない。ただ、東京ドームができる前は、巨大体積を表現するのに確かに「霞が関ビル何杯分」という表現が使われていた。それが「東京ドーム何杯分」に変わったのは'88年以降のことだ。もちろんドーム球場ができたのが'88年だからだ。

 ネットで調べると「1東京ドーム=2.48霞が関ビル」にあたるのだそうだ。ふーん、やはりでかいんだね。霞が関ビル。

 霞が関ビルを過ぎると、サッポロ一番のビルがあって、東急のパジャマホテル(外壁が淡いピンクと白の縞模様だからこう呼ばれる)があって、あれまー、いつの間にやら赤坂見附に帰ってきた。

 楽しいね、外堀通り。名所が多くて、華やかな街が連なってるから。

 ラスト駆け足になってしまって、書けなかったけれど、おや、これは、と思う名所や街が、本当に目白押しなのだ。

 虎ノ門しかり、淡路町しかり、土橋、鍛治橋、鎌倉橋、数寄屋橋、など橋の数々しかり、桜の名所もあったりするし、謎の“都心釣り堀”があったりする。

 機会があったら“都心ポタリングコース”として、ぜひどうぞ。

 絶対距離が短いんで、初心者にもオススメだよ。

コメントする・見る

関連コラム

BACK 1 2 3 4 5

この記事にコメントする

利用規約を遵守の上、ご投稿ください。

他競技の前後のコラム

ページトップ