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日本人所属チームがELを巡る激闘。
長谷部vs.岡崎&酒井、どちらに軍配?
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byAFLO
posted2012/04/05 10:30
酒井高徳と岡崎慎司の所属するシュツットガルトはここ5試合3勝2分と好調を維持している。
ドルトムントと4-4の死闘を繰り広げたあと、シュツットガルトの酒井高徳は顔を崩した。
「みんな、『ヨーロッパカップ(戦)に行くぞ』みたいな感じで歌を歌いながら喜んでますよ。アツトくん(内田篤人)とか見ていると、スペインの選手とかと試合をやっていて、すげぇ楽しそうだし、ああいうレベルを経験したいなって俺も思います」
ブンデスリーガでは今、混沌とした中位争いが繰り広げられている。5位ハノーファーから9位ヴォルフスブルクまでの順位を見比べてみれば一目瞭然だ。
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5位 ハノーファー 勝ち点41
6位 シュツットガルト 勝ち点40
7位 レバークーゼン 勝ち点40
8位 ブレーメン 勝ち点40
9位 ヴォルフスブルク 勝ち点40
通常であれば5位と6位のチーム、それからドイツカップ王者にヨーロッパリーグ(EL)出場権が与えられる。しかし、今シーズンはドイツカップ決勝にドルトムントとバイエルンというCL出場圏内の2チームが進んだことで、ドイツカップ優勝チームではなく、7位のチームにもEL出場権が与えられる。
つまり、上記の5チームが3つの枠を巡って争うことになるのだ。しかも、このレースを面白くさせているのが、前半戦終了時に5位につけていたブレーメンと6位につけていたレバークーゼンの失速だ。
ブレーメンとレバークーゼンがEL出場圏内から脱落!?
ブレーメンは前半戦17試合で勝ち点29を稼ぎながら、後半戦の11試合ではわずか勝ち点11しか積み上げられていない。1試合あたりの勝ち点獲得率は、1.7点から1点にまで下がっている。負傷者が相次いだことで、本来の戦いが出来ていないのだ。攻撃的MFマリンと、守備の要であるセンターバックのナウドがようやく復帰したとはいえ、調子を取り戻すまでには時間がかかりそうだ。チームとして調子を取り戻せないまま、シーズンの残り6試合を終えてしまう可能性もある。
もう一つ、レバークーゼンはCLでバルセロナに大敗したのを皮切りに、選手たちはモチベーションを失ってしまい、ズルズルと後退を続けている。しまいには、「目標としていたCL出場権にはほど遠い」という理由で、期待とともに今季から就任したドゥット監督が解任されてしまうありさまだ。