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日本人所属チームがELを巡る激闘。
長谷部vs.岡崎&酒井、どちらに軍配? 

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ミムラユウスケ

ミムラユウスケYusuke Mimura

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posted2012/04/05 10:30

日本人所属チームがELを巡る激闘。長谷部vs.岡崎&酒井、どちらに軍配?<Number Web> photograph by AFLO

酒井高徳と岡崎慎司の所属するシュツットガルトはここ5試合3勝2分と好調を維持している。

「あいつがいることが本当に大きい」(岡崎慎司)

 一方で、ハノーファーは昨季もEL出場権を確保して、今季もベスト8まで勝ち残っている。昨季より戦力を上積みしているだけに、ここにきてようやく上がってきたチームだ。彼らが出場権を獲得したとしても何ら不思議はない。

 そんな中、注目を集めるのが、シュツットガルトとヴォルフスブルクの2チームだ。昨季は最後まで残留争いを繰り広げ、今季の前半戦も決して良い成績を残せたわけではなかった。

 シュツットガルトは、1月にFWのイビセビッチを獲得したことで前線に柱が出来たことが大きかった。「あいつがいることが本当に大きい」と岡崎慎司が話すように、イビセビッチ自体の得点能力もさることながら、ハルニクや岡崎、あるいは岡崎が負傷中に左MFとしてプレーしているシーバーがゴールを増やしていった。48得点というのは、EL出場権を争うチームの中で、最も多い。彼らは得点力を武器に、順位を上げているのだ。

ヴォルフスブルクもアウェイでの連勝でEL圏内に。

 ヴォルフスブルクは守備の安定が大きい。1月に入ると、左のセンターバックとしてロペスと、左サイドバックにロドリゲスが加入。彼らがそのままDFラインのレギュラーとして起用されることになった。ただ、大きかったのは、チームとしての守備の意識が向上したことだろう。マガト監督の意図に沿う形で不用意に高く上げるだけだったDFラインも、選手たちで話しあい、ここに来てマガト監督も態度を軟化。状況に応じて、リスクを避けるためにDFラインを下げることも認め始めたのだ。それにより変化が表れたのが、アウェイゲームでの成績だった。

 開幕戦でケルンをアウェイで下してから第24節のカイザースラウテルンとのアウェイゲームまで敵地では一度も勝てなかった。ところが、ここにきてアウェイのニュルンベルク戦、ヘルタ・ベルリン戦とアウェイで連勝したことで、ホームゲームと合わせてリーグ戦で4連勝。順位を大きくあげた。

 今季前半戦から「中位はつまっているから連勝すれば、ELのチャンスはある」と長谷部誠はたびたび口にしてきたが、その言葉がここに来て現実味を帯び始めている。

【次ページ】 EL出場権を獲るのは長谷部か? それとも岡崎と酒井?

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