日本代表、2014年ブラジルへBACK NUMBER
アジア対策だけでは物足りない!
ザックジャパンは来年こそ欧州遠征を。
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byKYODO
posted2011/12/16 10:31
もし欧州遠征が実現するようであれば、そのマッチメイクにはザッケローニ監督自身の人脈もフルに活用されるという
日本開催の親善試合では対戦相手が限られてくる。
では現実的にどんな手が打てるのか。と言っても、スケジュール的にはかなり厳しいと言わざるを得ない。
FIFAが定める国際Aマッチデーは2月以降になると6月まで設定されていない。欧州各国はその6月にEUROが控えており、その後は世界中でW杯予選が本格化する。このなかで限られた機会を最大限に活用するほかない。
国内の親善試合は近年、チリ、ペルーなど骨のある相手とのマッチメークを組めているが、日本のホーム戦だとどうしても相手がベストメンバーをそろえるのが難しく、時差調整を含めたコンディションの問題も出てくる。ゆえにホーム有利となることで、日本代表の正確な現在地がつかめないという事実もある。加えて、来年はW杯予選が本格化することでアジア以外の強豪国を日本に呼ぶのは難しいということもある。
欧州遠征が最善策。対戦相手には有名な強豪クラブの名も!?
ホーム試合のマッチメークも大切ではあるが、最小限の機会で最大限の効果を期待するなら「対世界」の海外遠征をおいて他にあるまい。今、日本協会もその可能性を模索している模様で、日程の問題さえクリアすれば実現する可能性も高いという。
行くのであれば欧州しかない。
今や代表メンバーの半数近くが欧州組となっているが、今冬の移籍マーケットでもハーフナー・マイク、前田遼一らが欧州のクラブからオファーを受けており、2012年はますます欧州組が増えそうな勢いだ。その状況を考慮しても欧州組が合流しやすい欧州遠征が現実的だ。もし国際Aマッチデーの壁でナショナルチームとの対戦が難しくなれば、方針を切り替えて強豪クラブとの対戦も協会のプランとして出ているようだ。
遠征時期については日本の最終予選の日程をにらみながらになる。欧州のナショナルチームが相手なら国際Aマッチデーと照らし合わせると9月以降になる可能性が高いだろうし、クラブチームが相手ならマッチデーの縛りがなくなるため、比較的、都合はつきやすくなる。
どちらかでも実現できれば、世界におけるポジションを把握できるばかりでなく、ブラジル本大会で結果を残すための課題がしっかり見えてくるのではないだろうか。