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タジクの“穴熊戦法”をどう崩す?
鍵を握る、司令塔としての中村憲剛。 

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二宮寿朗

二宮寿朗Toshio Ninomiya

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2011/10/11 13:05

タジクの“穴熊戦法”をどう崩す?鍵を握る、司令塔としての中村憲剛。<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

ベトナム戦では少し慎重にやり過ぎたと反省している中村憲剛。「(タジク戦の)イメージはもうできている。アドリブをきかせながら90分間戦いたい」

ガチガチに守備を固めた相手からどうやって点を獲る?

 北朝鮮との初戦でもそうだったように、守備偏重の相手からゴールを奪うことは容易ではない。しかし、北朝鮮戦の経験や、守備意識の高いベトナムとの戦いから学べたことも決して少なくなかったはずだ。

 岡田ジャパンのときから中村との“あうんの呼吸”を持つ岡崎慎司は、こう言う。

「北朝鮮との試合で言えば、攻撃が急いで中に行ってしまったかなという感じもした。だから、もっと外から行ってもいいと思う。僕の場合、クロスからのほうが点を取れるというのもありますし。もしトップ下が憲剛さんだったら、自分の動きを見てくれると思うし、自分を活かしてくれる存在。もちろん(藤本)淳吾さんだとしてもエスパルスでずっと一緒にプレーしてきたわけだし、(やりやすいのは)同じですけどね。自分としてはうまく活かしてもらうようにプレーしていくことを心掛けたい」

 岡崎が強調する「外」のイメージ。

 ピッチをワイドに使いながらサイドを丁寧に突くことで相手をおびき寄せ、スペースをつくっていきたいところだ。中央でボールを収める中村、そして遠藤の展開力を活かしながらの揺さぶりをかけたサイド攻略がカギを握ってくるはずである。

 外を攻略できれば今度は中が空く。

 中村自身も「サイドハーフがバイタルエリア(相手MFとDFの間、ペナルティーエリア付近)に入ってきたら、うまくそこを使えるようにしたい。そこで自分も絡めるようにしたい」と意気込む。両サイドの岡崎、香川真司がスピードアップした状態で何度もボールを持つことができれば、格下であるタジキスタンの守備が持ちこたえられるとは考えにくい。

ベトナム戦はテストだったとはいえ、1-0の結果は物足りない。

 ベトナム戦はテストの意味合いが強かったとはいえ、1-0という結果に物足りなさも残った。

 3-4-3を試せたこと、これまで出ていない控え選手を中心に起用できたことは収穫だったと言えるものの、流れを引き寄せるような工夫が足りなかったのは残念だった。

 普段やっていないメンバーと流れのなかでの連係面でうまくいかない部分があれば、セットプレー、リスタートなどでもっと気を配っても良かった。ショートコーナーでギャップをつくろうとする場面もなく、手を尽くした感じが見えなかった。

【次ページ】 遠藤保仁の存在感を再認識させられたベトナム戦。

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