青春GOLF ――石川遼に密着! BACK NUMBER
石川遼頼みの男子と逸材が揃う女子。
集客力で軍配が上がるのはどちら?
text by
雨宮圭吾Keigo Amemiya
photograph byKYODO
posted2011/09/15 10:30
昨年、千葉のキングフィールズGCで行われた日立3ツアーズ選手権では、JGTO(男子)が4度目の優勝を果たした。石川は藤田寛之、宮本勝昌、薗田峻輔、松村道央、池田勇太らとラウンド
“ツアー過疎地”に眠る潜在ファンを掘り起こす努力を。
今年はさらに男子の日本オープンと女子の富士通レディースも10月の第3週に同じ千葉県内で行われる。こちらは約30km離れているとはいえ、ギャラリーを奪い合う形に変わりはない。プロの試合というのはゴルフの魅力を世間にアピールする最大のチャンス。なんとももったいない話である。
もったいないのは同週だけでなく、愛知、千葉というトーナメント密集地域での開催という点もそうだ。男子では25試合中、愛知が2試合、千葉が3試合。女子は34試合中、愛知が3試合、千葉が6試合と多くの試合が開催されている。
そもそもゴルフ場の絶対数が多いことに加えて、集客力やアクセスを含めた利便性を考慮すれば、トーナメントがこうした地域に偏るのは仕方がないのかもしれない。だが、ツアーの日程を見渡せば、試合のない県はたくさん残っているし、男子でいえば東北地方や北陸地方はトーナメントが開催されなくなって久しい。
そうした地域のニーズを掘り起こす機会がなくなってしまうことが、もったいないのである。
日本最高峰の大会だからこそ全国各地で開催すべき。
日本オープンや日本女子オープンは1つのコースに定住するのではなく、全国を巡るサーキット式の大会だ。しかし、初の沖縄開催となる来年の日本オープン以外は、男女ともに2014年まですべて関東での開催が決まっている。
そのあたりは同じサーキット式のメジャー大会でも、近年は熊本、岐阜、長崎などで開催された日本プロ選手権や、広島、石川、奈良などを回った日本女子プロ選手権のほうがまだ広がりがあるように思える。
伝統ある大会ゆえに、開催地にもクオリティと格式ある名門コースを求めることは理解できる。しかし、日本最高峰の試合だからこそ力強くゴルフの魅力を発信し、その地域のゴルフ文化を醸成するツールにもなれるはず。ぜひともそうした機会を増やしていってほしい。
石川遼を見ようか、宮里藍を見ようか、という悩みはまだちょっと贅沢すぎる。