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宮城県・古川工の甲子園出場の意義。
地方の公立高校が変わってきた!?
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph byKYODO
posted2011/08/07 08:00
甲子園球場で本大会前の練習をする古川工高ナインたち
古川工の影響で仙台市以外の公立校にも希望と勇気が。
現場の監督からも、
「いろいろな価値観がありますが、3年間、応援席にいるよりも、公立校で試合に出ていた方が野球がうまくなる確率は高いと思います。東北、仙台育英にとっても、県内の他の学校のレベルが上がった方が甲子園で優勝する確率が高くなると考えてくれればいいんですが」
という声もある。
実は県大会の段階で2強は、かなり「敵対視」される(私の母校が昭和62年、準決勝で東北と対戦した時は、とにかく野次ったものだ)。
ひとたび県の代表となれば、みんな温かく応援するようになるのだが、それまではなかなか大変である。
今回、古川工が甲子園に出場したことで、仙台市以外の公立校も「俺たちにも出来る」と考える選手が増えてきた。
震災の影響で県北部の沿岸部の学校は、まだまだ練習環境が整わないが、「希望」は大きな力を生むと信じたい。