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<私とラン> 岡野雅行 「ガイナーレ鳥取で旋風を起こしたい」 

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NumberDo編集部

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photograph byAsami Enomoto

posted2011/07/28 06:00

<私とラン> 岡野雅行 「ガイナーレ鳥取で旋風を起こしたい」<Number Web> photograph by Asami Enomoto
2年以上かけて地球を一周した寛平ちゃんのように、
長い距離を走ることに生きがいを感じる人もいる。
茂木先生のように、走りたくなったら5分でも
いいから走るという人もいる。走り方はその人次第。

今回は、Number Do第2弾「100人が語るRUN!」より、
日本サッカー界きっての俊足として知られる“野人”岡野雅行さん。
ウェブでは、雑誌未収録の部分も盛り込んだ特別版をお届けします。

 小学校の運動会でリレーの選手を決める時に、タイムを測りますよね。だいたい1番で、アンカーになることも多くて。あの時はヒーローでした。でも、中学になったら、まわりの子もどんどん速くなってきて。成長期が人より遅かったのかな? だから自分の足は「まぁ、速いほう」くらいの認識でした。

 それが、大学の授業で100m10秒8ってタイムを出して。そんなに速いと思ってなかったので、ビックリしましたね。それからはサッカーのプレースタイルも完全変更。ポーンと蹴ってダッシュすれば、それで5人抜けちゃうからね。それから注目されるようになって、プロの目にも留まったんだと思うので、早く気付いてよかったなって思います。トップスピードでドリブルするのに1番いい方法は何か、っていうのを掴むまでは、けっこう大変でしたけどね。

サッカーは、持久力は大事だけど長距離走は得意じゃなくてもいい。

 フォームがきれい、ってよく言われるんですけど、そうですか? 足が速いと、走り方もほかの人と違うのかもしれない。教わったことはないので、自己流なんですよ。ただ、腿が上がるのは特徴かな、と思います。跳んでるっていうか、一歩が長いっていうか。

 サッカーは短距離をたくさん走る競技。乳酸が一瞬で溜まって、それをどれだけ早く回復して次のプレーができるか、っていうのが勝負なので、持久力は大事だけど、長距離走は得意じゃなくていい。

サッカーの試合でも、ラスト10分でどれだけ自分を追い込めるか。

 でも、シーズン前の体力作りには走りこみます。それで、1年戦っていく基礎体力を、シーズン前にちゃんと作る。すごく走れたっていう達成感もあるし、それが自信にもつながる。サッカーの試合でも、ラスト10分とかがキツイんですよ。そこでどれだけ自分を追い込めるかが勝負。そういう厳しいトレーニングって、1人だと難しいけど、みんなでやると「オレも負けらんねー」って、燃えるからこなせるんでしょうね。

 自主トレで1回、ランナーズハイみたいな状態になって、すごい長く走ったことがあったんですよ。時間も距離もまったく測ってないんだけど、いくら走っても疲れないし、ペースも上がってきて。

 サッカーの試合中でいえば、アドレナリンが放出されている状態がそれですね。観客席の盛り上がりとか、会場の雰囲気とかで、自分の中に世界ができる。なんかしてやろう、なんか見せてやろう、って。いつもだったら80%くらいのものが200%超えみたいなことができちゃう。後でやってみろ、って言われてもできないくらい、足が速かったり、ドリブルが速かったり、っていうのはあります。

【次ページ】 「ガイナーレっていいチームだね」って言われるために。

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ガイナーレ鳥取

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