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宇佐美がレアルから2得点も……。
~U-17日本代表と欧州の戦術格差~ 

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中嶋亨

中嶋亨Toru Nakajima

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photograph byMutsu Kawamori

posted2009/08/13 11:30

宇佐美がレアルから2得点も……。~U-17日本代表と欧州の戦術格差~<Number Web> photograph by Mutsu Kawamori

R・マドリーの選手から激しいタックルを受ける宇佐美貴史。今秋のU-17W杯までに、更なる成長はあるか。

欧州に伍するには個人戦術のレベルを高めるしかない。

 ACミラン、レアル・マドリーと欧州の強豪相手に厳しい洗礼を受けた日本。相手陣内にスペースがある時に発揮される日本の素早い攻撃は、敵が守備を固めればすぐに鳴りを潜めてしまい、2点をリードして勝利を手中に収めかけていた状態から同点に追いつかれるなど、ゲームコントロールという点でも未熟さを露呈している。

 体格、走力、パススピード、パワーでアヤックス、リバプール、ACミラン、ビジャレアル、レアル・マドリーに負けている日本が試合に勝つには、攻守において味方同士がサポートし合える距離を整えるための個人戦術が必要だ。しかし、残念なことに日本の個人戦術のレベルは、体力で勝る欧州の各クラブに先んじられているのが現状だ。

 欧州の各クラブは、常に数的優位な状況を作るための的確なポジショニングを日本以上に行っている。体格やパワーで上回られ、日本の同世代相手には経験したことのない強烈なボディコンタクトを仕掛けられても日本が大敗しないのは、体を入れて何とかボールを守る能力を日本選手達が身につけているからだ。欧州の鋭い寄せに対して“何とかボールを守れる状態”から“難なくボールを操れる状態”になるためには、常にその環境でプレーし続ける必要がある。

いまU-17日本代表に求められる課題とは?

 そして、その変化を10月のU-17ワールドカップまでの約2カ月間で日本選手達に求めることは時間や環境という面から見ても不可能だ。

 だからこそ、日本人選手達は互いのプレーの幅を広げるための個人戦術のレベルを高めなければならない。そのための一番の近道は、池内監督を始めとしたコーチングスタッフが選手達の特徴を上手く組み合わせる戦術を練り上げ、それを発揮するための方法を選手達に授けることだが、果たして残り2カ月間でそれができるだろうか。

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