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2008年のホンダは?
text by
西山平夫Hirao Nishiyama
photograph byHirao Nishiyama
posted2008/02/25 00:00
2月21日、東京都内のホテルで報道関係者らおよそ500人を集め、恒例のホンダ2輪・4輪のレース活動発表会「ホンダ・キックオフ・パーティー」が催され、その冒頭スピーチで福井威夫社長は「昨年F1は最高位5位・コンストラクターズ・ランキング8位と低迷したが、今年はその口惜しさをバネにチャレンジして行きたい」と、決意を述べた。
今年のホンダF1は昨年チーム代表に就任したロス・ブラウン(ホンダは本人の希望でブロウンと表記)下、新体制での再挑戦となるが、R・ブラウンは発表会席上「今年はポイントを稼ぐ年。同時に数年先のことも見通すことが必要で、新レギュレーションの発足する2009年が立ち直るチャンス」と、早くも開発の軸足を来年のマシンにおいていることを匂わすコメントを披露した。
このロス・ブラウン直下でサポートするのが中本修平エンジニアだが、今年用新車RA108の現時点での開発状況を次のように語ってくれた。
「正直言って、やりたいことの半分くらいしかできていない。(新車開発の)スタートが2ヶ月遅れたのが痛かったですね。新車発表会でのマシンは中途半端なものでした。
今の時点でマクラーレンと較べ、ラップタイムで1.6秒くらい遅い。エアロ(空力性能)は狙い通りのところに来てますが、今度はメカニカル・グリップが問題になってます。また、エンジンの方もドライバビリティに問題が出ていて、エアボックスやエキゾーストパイプなどハード面でまだまだやらなければならないところがあるのが現状です。
勢力分布的にはフェラーリとマクラーレンが飛び抜けて速くて、その後にBMW、ルノー、ウイリアムズが続いているという感じ。トヨタさんは分りませんが、ウチはレース・ディスタンスを走らせたタイムではレッドブルと同じくらい。
今年のウチのマシンでうまく行ってるのはエアロ。昨年問題になったセンシティビティ(敏感さ)が克服され、先日のヘレス・テストで風が強い日があったのですが、ほかのチームが軒並み1〜2秒タイムが落ちてるのにウチは落ちなかった。
とにかくフェラーリとマクラーレンは速いですが、他のチームの速いラップタイムは空タンクだ(燃料搭載が少ない)から。たとえばルノーはアロンソは速いけど、新人は速くないですからね。
ともかくあとひと踏ん張り。開幕戦のメルボルンでマクラーレンの1秒以内に行きたい。開幕3戦の目標は、Q3(予選トップ10)に残って、決勝ではポイントを稼ぎたいというあたり。開幕直前のウチ単独でのヘレス・テストで新しい部品を入れますが、期待半分、不安半分というところです」
こうした中本エンジニアのコメントを聞くと、ホンダはどうやら今年も序盤戦でのサプライズは期待できそうもないようだ。ドライバーのジェンソン・バトンもR・バリチェロも「マシンは乗りやすくなった」とは言っているが開幕戦に関しては「やってみなければわからない」と明言を避けている。少なくとも「速い!」と断言していないところをみても、ホンダF1が上位戦線に顔を出すのは中盤戦あたりになりそうだ。
なお、このパーティーにスーパーアグリ鈴木亜久里代表の姿はなかった。