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小林可夢偉はザウバー入り決定か?
来季のF1界が俄然面白くなってきた!!
text by
西山平夫Hirao Nishiyama
photograph byHiroshi Kaneko
posted2009/12/11 08:00
ベッテル&ウェーバー+新マシン=レッドブル大本命!?
そんな中で、タイトル争いを最も有利に進めるだろうと思われるのが(5)S・ベッテルと(6)M・ウエーバーを擁するレッドブル・レーシング・ルノー(コンストラクター名)だ。
今年は年間タイトルこそ取り損ねたものの、新チャンピオン=ブラウンGPに肉迫できたのはこのチームだけであり、速さはピカイチ。ダウンフォースを重視したカマキリを連想させる独特のフロントビューに加え、独自のリヤ・サスペンション形式の採用などラディカルかつユニークなマシン造りが継続されるはずだ。チーフデザイナーのエイドリアン・ニューウェイは今年のイタリア以降まったくサーキットに姿を現さなかったが、これこそ今季のチャンピオン争いを見切って2010年用マシン開発に思い切ってシフトしていた証拠だろう。チャンピオンを目指すベッテルと、コンスタントに勝てるようになったウエーバーのコンビネーションも心強い。エントリーリストを見ると、2009→2010年への移行でドライバーのコンビネーションが変わっていないのはここレッドブルのみ(フォースインデアのドライバーは今季イタリアからの組み合わせなので)。まさに鉄壁の布陣といっていい。
アロンソが新加入のフェラーリは新マシンの出来がカギ。
レッドブルと並んで興味深いのは、残留の(7)F・マッサと新加入(8)F・アロンソの新コンビとなるフェラーリ。
今季はたった1勝と低迷し、その原因が空力開発の遅れにあったことはチームを出るライコネンも指摘している通り。そのライコネンを切ってアロンソ加入となったわけだが、ヨーロッパ戦最後のイタリアで「今季型マシンの開発は終了し、来季用マシン開発に力を入れる」旨を公言した。マシン開発のリードオフは大きなプラスポイントだが、速さに速さを重ねればいいレッドブルと違い、スタートレベルが低いのが難点。とはいえそういう時にこそアロンソの高い開発能力が大きな手助けになるはずだ。
マッサはこれまでシューマッハー→ライコネンとチャンピオンとのタッグが続いたが、特に問題も生じなかったから、アロンソとのコンビネーションにも軋轢は起きないはずである。
こうして見てくるとタイトル争いにからめそうなのはマクラーレン、レッドブル、そしてフェラーリの3チームであり、ブラウンGP転じてメルセデスGPはドライバーの陣容(N・ロズベルグ+?)から考えてもかなり苦しそうだ。