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小林可夢偉はザウバー入り決定か?
来季のF1界が俄然面白くなってきた!!
text by
西山平夫Hirao Nishiyama
photograph byHiroshi Kaneko
posted2009/12/11 08:00
空きは11シート……日本人ドライバーの可能性は?
チームとして動きがありそうなのは(11)R・クビサ+(12)(もう1人は未定)のルノーで、かつてBARホンダのチーム代表だったD・リチャーズ率いるプロドライブが買収する動きがある。
その動きとは別に、前代表のF・ブリアトーレも買収を画策していると伝えられるが、クラッシュゲート事件の処罰に関してブリアトーレが控訴している裁判の結果次第となるようだ。晴れて無罪となればブリアトーレは速攻で買収作業に入るはずだ。いや……すでに下準備が始まっている可能性も高い。ちなみにクラッシュゲート事件の判決は来年1月に下される。
いま現在(12月10日時点)、13チーム&26シートのうち空きが見られるのは11シート。
数字だけを見た可能性としては、日本人ドライバーにもチャンスはありそうだが、ある程度の戦績が見込めるチームとなると数は限られてくる。
現実的にはルノー、トロロッソ、そしてザウバーの3チームの4つのシートとなるわけだが、門は狭い。ただ新興チームにまでその網を広げれば、テスト走行のチャンスが少ない数チームにとって経験あるドライバーは喉から手が出るほど欲しいところで、日本人ドライバー残留の余地もあると見ていいだろう。
ついに吉報来る! 可夢偉がシートを確保した!?
ちょうどここまで原稿を進めていたところに、嬉しい知らせが飛び込んできた。
先に書いたザウバー・チームに小林可夢偉が加入した……という話。
F1界は噂が噂を呼ぶ業界だが、これは信憑性が高い筋からの情報。
思い起こせば……チーム代表になるであろうピ-ター・ザウバーもドライバー候補のひとりとして“コバヤシ”を常々入れていた。かつてライコネンやマッサを掘り出したこの名伯楽が、今季F1終盤2戦で目覚しい活躍を演じた小林可夢偉を指名することも、ごく自然の成り行きだったと言えるのだ。
またザウバーがフェラーリ・エンジンを使う場合には、もう一人のドライバーはフェラーリのナンバー3契約のG・フィジケラではないか、という話まですでに流れているようである。
同時に、中嶋一貴の名前もここにきてグッと上がって来た。
いま14番目のチームとして加入を希望しているステファンGP(代表ゾーラン・ステファノビッチ/セルビア)が、今季トヨタが開発していた新型シャシーを譲り受け、先ごろ解雇された500人とも言われるトヨタF1チームのスタッフらも大挙合流し、本格的にF1参戦してくるのではないか、という情報だ。
優勝寸前まで行ったトヨタのシャシーのポテンシャルはきわめて高く、撤退決定の後もなお開発を続けていたと言われるほど。もしステファンGP参戦となった暁にはドライバーの一人は中嶋一貴が確実との噂が高い。
小林可夢偉、トヨタF1継続シャシー、スタッフの転籍、そして3年目の中嶋一貴……これらが実現すれば、トヨタの遺産は望みうる最善の形でF1残されることになる。
12月上旬にヘレス・サーキットで行われた3日間にわたる新人F1テストも終わって、来春までサーキットでF1マシンの咆哮は聞けない。
ストーブリーグ第二弾は、これからが本番を迎える。