NBAの扉を開けBACK NUMBER
いよいよ開幕、今季のNBAは熱くなる
text by
小尾慶一Keiichi Obi
photograph byNBAE/gettyimages/AFLO
posted2006/10/31 00:00
過去4シーズンで2回優勝しているスパーズも、あなどれない。昨季はウェスト1位でプレーオフに進んだが、大黒柱のダンカンの故障が響き、プレーオフ2回戦で姿を消した。とは言え、スピードスターのパーカーや、変幻自在のドライブを見せるジノビリ、守備職人のボウエンなど、駒はそろっている。弱点はリバウンドだが、その分野でアルゼンチン人ビッグマンのオベルトが貢献できれば、最強チームに返り咲くことも可能だ。
優勝候補と呼ぶには力不足かもしれないが、イーストのキャバリアーズやブルズ、ウェストのロケッツも面白い存在。昨季のキャバリアーズは、若きスーパースターのレブロンの活躍で、13年ぶりに50勝を達成。脇役陣のケミストリーも年を追うごとに強固になっている。レブロンが再びMVP級の活躍を見せれば、勢いに乗ってイーストを制することも十分に考えられる。
ブルズは、オフの補強が話題を呼んだ。アメリカ代表に選出されたハインリックや、コンボガードのゴードンなど、もともと準スター級の若手選手がそろっていた。そこに、守備の達人のウォーレスと、ベテランビッグマンのブラウンが加入。将来的にイースト王者を狙えるほどの選手層の厚さ・チームバランスが手に入った。
ロケッツも良い補強を見せた。将来有望な若手選手を放出し、堅実なプレーが売りのバティエを獲得。「究極のチームプレイヤー」と称されるバティエの加入で、チームの2大スター──すさまじい得点力を誇るマグレディと、中国出身の229cmセンターのヤオ──は、これまで以上に輝くはず。また、契約問題のこじれから、大物FAのウェルズを安価で獲得できたことも大きなプラスだ。マグレディとヤオに故障がなく、新加入選手がうまく機能すれば、今季は大きな飛躍を期待できる。
6月に行われるNBAファイナルで、夢の大舞台に立っているのは、どのチームか?世界最高レベルの闘いは、いよいよ10月31日に幕を開ける。