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負けてなお、手の内を見せず……。
シーズンを見据えた中日の戦い方。 

text by

田口元義

田口元義Genki Taguchi

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photograph byShigeki Yamamoto

posted2011/04/20 11:50

負けてなお、手の内を見せず……。シーズンを見据えた中日の戦い方。<Number Web> photograph by Shigeki Yamamoto

4月19日、7年ぶりにセ・リーグ単独最下位となった中日。球団史上初のリーグ連覇を目指している知将は何を思う?

負けるのであれば意味のある負けにしなければならない。

 他のチームなら、2ケタ勝利を見込める選手が多くいれば優勝を狙える、という考えを持っているだろうが、中日が2ケタ勝利を求めるのは、せいぜいチェンと吉見くらい。残りの先発投手は、5勝前後してくれればいい。

 事実、昨年は中田、山井が7勝、山本昌5勝、ネルソン4勝。チェンと吉見の勝利数と合わせれば48勝となり、他チームのローテーションの総勝利数と遜色ない数字を叩き出している。

 この理論は実に理に適っている。

 ローテーションを固定することも悪くないが、もし、故障者が生じれば若手や中継ぎで穴埋めしなければならず、その後の勝ちを計算しにくくなる。その点、中日のように「この投手はシーズン半分で5勝はするだろう」という算段が明確にあれば、好不調によって自由に入れ替えることができる。

 今はまだ膿を出している最中。

「全部勝てるチームがどこにある」と落合自身が言うように、負けるのであれば意味のある負けにしなければならない。

 これまでの戦いぶりを見て、それを改めて思い知らされた。

荒木や和田など、上向きになるのは間違いない打線の信頼感。

 そうなると打線はどうか? 

 個人的には全く問題ないと感じている。

 先頭の荒木雅博の打率が1割4分3厘、4番の和田一浩が同じく2割8厘と低迷していることが勝てない原因のひとつと挙げる人もいるかもしれないが、一概にそうとは言い切れない。

 荒木は毎年、春先こそ低迷しているが夏場以降に驚異的な巻き返しを図るタイプ。昨年も、序盤の数字は悪かったが最終的には2割9分4厘まで打率を上げている。

 和田にしても、それまでのオープンスタンスからスクエアに打撃フォームを変更したことが少なからず影響しているはずだ。

【次ページ】 先発陣と打線が復調すれば「怖い中日」が戻ってくる。

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