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「もう“ダスナ”だよ」最下位ソフトバンクファンがボヤく「防御率7.00」乱調オスナだけでなく平野佳寿、則本昂大も…クローザーはつらいよ
posted2025/04/21 17:06

故障者続出で苦しむソフトバンク。守護神オスナの乱調も大きな懸念材料となっている
text by

広尾晃Kou Hiroo
photograph by
JIJI PRESS
救援投手には、クローザー、セットアッパー、中継ぎなどの区別があるが、クローザーと他の救援投手は、全く「別物」だとしみじみ思う。
平野とオスナが大崩れした9回の攻防
4月9日、京セラドームでのオリックス-ソフトバンク戦、6-5でリードしていたオリックスは最終回、平野佳寿をマウンドに送った。平野は3日のロッテ戦でセーブを挙げ、NPB通算250セーブを記録していた。しかし昨年は7セーブを挙げたものの、5月に立て続けに救援失敗し、登録抹消されていた。
今年3月に41歳になった平野はもはや限界かと思われたが、2005年ドラフト同期の岸田護新監督は、平野になおも期待を託してクローザーに起用した。
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平野の登場時に流れる「Warning」が響くと、球場内がざわついた。オリックスファンも、平野が往時の力でないと認識しているのだろう。平野はいきなり周東佑京に中前打を許し、そこから崩れて山川穂高に逆転3ランを打たれた。平野は4失点で降板するも後続の井口和朋も打ち込まれ、オリックスはこの回一挙5点を失い10-6となった。オリックスは昨年、平野が登録抹消されてからアンドレス・マチャドがクローザーになり、150km/h台半ばの速球を武器に23セーブを挙げていた。マチャドは前日に登板していない。その上で平野にこだわった岸田監督に批判の声が上がった。
しかしこの日はそれで済まなかった。9回裏にマウンドに上がったソフトバンクのクローザー、ロベルト・オスナも3点を失った。ホークスは10-9で辛うじて逃げ切った。
“4年40億円超の守護神”オスナの不調
より深刻なのは――ここまで最下位と振るわないソフトバンクの方かもしれない。
オスナはメジャー時代の2019年、アストロズで最多セーブのタイトルをとったことがある名クローザーである。
22年シーズン中にロッテに移籍し10セーブ、翌23年はソフトバンクに移籍し26セーブ、防御率は0.92と圧倒的な数字を残し、オフにNPB史上最高の4年40億円超の大型契約を結んだ。24年は24セーブを挙げたものの、6月に2試合連続で3失点するなど不安定なところを見せた。
とはいっても史上最高額で契約した投手を軽々に配置転換はできない。