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「モネ・チバですか?」海外ファンの人気が急上昇…19歳日本人スケーター「すごいやばかったです!」千葉百音が取材陣に見せた笑顔の理由
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田村明子Akiko Tamura
photograph byAFLO
posted2025/04/17 17:02

3月の世界選手権で銅メダルを獲得した千葉百音
「すごいやばかったです!」取材陣に笑顔を見せた理由
「まだ3位の実感がわいていないんですが、すごく緊張した場面で最後まで集中を保って演技できたこと、すごく良かったと思います。嬉しいんですけど、今日の演技の出来としてはサルコウとか3(回転ジャンプ)連続とかでアンダー(回転不足)をとられたので、そこが悔しいというのが率直なところ。でもすんごい緊張した中で最後までやり遂げられたのは良かったかなと思います」
演技直後、記者たちに囲まれてそう演技を振り返った千葉。それほど緊張していたのかと改めて聞かれると、「すごいやばかったです!」と笑いながら即答した。
「去年の世界選手権のフリーとか、去年の全日本選手権とかと同じくらい滅茶苦茶緊張しました」
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そう言いながらも声に張りがあり、すでに世界のトップクラスの選手らしい貫禄も感じさせる。昨年のモントリオール世界選手権で、「緊張するとこの世の終わりみたいな表情をしてしまうので……」と消え入りそうな声で告白して、記者たちを笑わせた彼女とはまるで別人のように堂々としていた。
ミラノ五輪を見据えての移籍
千葉は羽生結弦や本田武史など、過去に多くの名選手を輩出してきた宮城県仙台市生まれで4歳からスケートをはじめた。ジュニアの頃から才能が注目されてきたものの、パンデミックで日本スケート連盟がジュニアGP大会に選手を派遣しなかった世代に被り、シニアに上がるまで国際大会の経験をあまり積むことが出来なかった。
2023年の春に、京都の木下アカデミーで濱田美栄コーチのもとへ移籍したのは、2026年ミラノ・コルティナオリンピックを見据えてのことだったという。このクラブには、世界ジュニアチャンピオンの島田麻央をはじめとするレベルの高い選手が揃っている。
「木下アカデミーで練習できるというのは良い環境だなと感じています。色んなレベルの高い選手が練習している中で、自分がどんなふうにトレーニングをしてどんなふうに練習したら成長できるのかというのを考えさせられながら、頑張ろうという気になります」