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箱根駅伝PRESSBACK NUMBER
なぜ大阪マラソンで青学大・黒田朝日は学生新記録を出せた?「世界にこだわっているわけじゃない」“マラソンから駅伝”という「原晋メソッド」の行方
text by

山崎ダイDai Yamazaki
photograph byJIJI PRESS
posted2025/02/25 17:40

大阪マラソンで2時間6分5秒の学生新記録でフィニッシュした青学大3年の黒田朝日。別大マラソンで先輩の若林宏樹が出した記録を2秒更新した
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今回の大阪でも慣例に倣って時計はつけず、目先のタイムよりも自分の感覚を優先。そしてそのクレバーな走りはマラソンでも健在だった。
「心肺的に言えば箱根の方がきついんですけど…」
序盤は集団の後方に位置し、少しずつ人数が絞られはじめた中盤から徐々に前方に上がってくる。原晋監督から「30kmからが勝負」と言われていた通り、勝負どころの30km過ぎの上り坂では先頭を引っ張るシーンもあった。
「ただ、あそこからのペースアップについていける体力はほとんど残っていなかったです。30kmの坂を上り終えてからですかね。マラソン独特のきつさというか、いままでに味わったことのない感じでした。心肺的に言えば箱根の方がきついんですけど、僕が下りが苦手ということもあって、ちょっと離されてしまって」
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それでも一度は離されかけた集団に再度、追いすがるなど粘り強さも発揮した。本人も「後半は無我夢中だったんですけど、何とかいい記録と順位で走り切れてよかった」と安堵していた。
それにしても3週間前に別府大分毎日マラソンで好記録を出した若林に続いて、黒田のこの快走だ。別大では4年生の白石光星も2時間8分42秒で全体6位に入っている。青学大の勢いが、マラソン界でも止まらない。
では、そこにはどんな秘密があるのか――?
そんな問いに対して、黒田の答えは実にシンプルだった。
<次回へつづく>
