青学大ランナー“10年間の進路”「箱根駅伝で燃え尽きる」説は本当なのか？ 原晋監督「実業団の監督はつまらない」批判に見る“陸上界のトレンド” 

　田澤廉や鈴木芽吹も大八木弘明総監督の下、駒澤大で練習を継続しており、最近はこうしたやり方がトレンドにもなっている。選手が苦戦しているとき、その状態を見極めて練習の量や質を考え、指示するのが指導者の役割だが、なかにはアップデートができないまま、昔ながらの指導や選手任せのトレーニングをしているケースもある。原監督の指摘は、そういったところが透けて見えているからこその苦言なのだろう。

真の青学時代が到来するのはこれから？

　昨今の青学OBたちの奮闘を見ている限り、世界にはまだ出ていないものの、“箱根で燃え尽きている”とはとても思えない。結果を出そうと練習環境を変えたり、他チームに移籍したり、個々人がさまざまな試行錯誤を重ねている。

2022年の東京マラソンで並走する下田裕太と吉田祐也　©Nanae Suzuki

　大学時の活躍が目覚ましいだけに厳しい目線で見られがちだが、それは期待の裏返しでもあるだろう。箱根駅伝での活躍に選手個々の評価が追いつくのはもう少し先になるかもしれないが、その時には「青学大は箱根でも強いけど、個人としても強い」と囁かれているはずだ。

＜前編「青学大10年間の進路一覧」とあわせてお読みください＞