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ドジャース佐々木朗希に“アメリカ現地の本音”「オオタニに続いて…あまりに残酷だ」「なぜパドレス有力説消えた?」ロウキ獲得に敗れた“3球団の悲鳴”
posted2025/01/20 17:03
text by
水次祥子Shoko Mizutsugi
photograph by
Nanae Suzuki
日米の注目を浴びた佐々木朗希の争奪戦は、当初予想された通りの結末となった。ポスティングシステム交渉期限の6日前となる1月17日(日本時間18日)に自身のインスタグラムでドジャース入団を決めたことを発表。そのニュースはたちまち日米を駆け巡った。
米国での反応は真っ二つに分かれた。ドジャースの地元ロサンゼルスのメディアは争奪戦勝利に盛り上がり、ロサンゼルス以外からは反発と悲嘆の声が上がった。
名物記者「ドジャースは悪の帝国だ」
「ロウキ・ササキと契約したことで、ドジャースはMLBの新たな悪の帝国であることを世に知らしめた」
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USAトゥデー紙のボブ・ナイチンゲール記者は契約が発表された日の記事にそう書いた。屈指の資金力でスター選手をそろえるドジャースは、25歳未満でマイナー契約しか結べない佐々木に関しては650万ドルと格安の契約金での獲得だったが、それが余計に「悪の帝国」ぶりを際立たせていた。同記者も「大富豪が、ビバリーヒルズの高級住宅地にある豪邸を数百ドルで買ったようなもの。盗み取ったも同然だ」と書いている。
佐々木については当初、20球団が獲得に興味を示し接触してきたと、代理人のジョエル・ウルフ氏が明かしていた。それが8球団に絞られ、さらに最終候補に残ったのがドジャース、パドレス、ブルージェイズの3球団。ポスティングが正式に決まる前からドジャース大本命説が根強かったが、3球団に絞られた頃にはパドレスが優勢と見る向きが米球界に広がっていた。それはウルフ氏が移籍先について、大勢のメディアにわずらわされることのない落ち着いた環境で、スポンサー契約を得る上でプラスになる球団であること、などの球団選びの条件に言及していたからだ。
消えた「パドレス有力説」
ドジャースには大谷翔平という国際的スーパースターがいるため、佐々木も山本由伸と同じように目立たず、スポンサー契約では不利になる。球団運営の経験者ほどそう考える傾向にあるようで、その理由から、元レッズとナショナルズのGMで解説者のジム・ボウデン氏も、元メッツGMで解説者のスティーブ・フィリップス氏も「ドジャースの可能性は低くなった」と発言していた。ところがふたを開けてみるとやはりドジャース。ボウデン氏はポッドキャストで「これには首を傾げた。ウルフの話は何だったのか」と話していた。