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ドジャース佐々木朗希に“アメリカ現地の本音”「オオタニに続いて…あまりに残酷だ」「なぜパドレス有力説消えた?」ロウキ獲得に敗れた“3球団の悲鳴”
text by
水次祥子Shoko Mizutsugi
photograph byNanae Suzuki
posted2025/01/20 17:03
佐々木朗希が今シーズンからプレーするドジャース。米国で反応は?
LA記者の皮肉「チケット売れる」
争奪戦に敗れた球団の周辺とは対照的に、ロサンゼルスのメディアは意気軒昂だ。ロサンゼルス・タイムズ紙のディラン・ヘルナンデス記者は佐々木のジャース入り発表当日の記事で「ササキは、23歳頃だった時期のショウヘイ・オオタニよりもコントロールに優れ、ヒデオ・ノモよりも身体能力に優れ、ユウ・ダルビッシュよりも速い球を投げる。日本が輩出した中で最も才能のある投手だが、投手としては未完成。彼はドジャースなら、世界一の投手になることを目指す自分をサポートできると踏んだから、このチームを選択した」と胸を張り、スーパースターである大谷の陰に隠れるかもしれないが「オオタニがマイケル・ジョーダンなら、ササキはスコッティ・ピッペン。彼はそういう道を選んだ」と指摘した。
同じくロサンゼルス・タイムズ紙で辛口のベテランコラムニストとして知られるビル・シャイキン記者は「ササキのドジャース入りが野球界にとって最高である理由」のタイトルで記事を執筆。「スポーツのプロチームも、エンタメビジネスだ。エンタメビジネスにおける成功とは、人々が求めるものを提供すること」とし、すでにスーパースターぞろいのドジャースが、今オフ最も注目された佐々木も獲得しスター軍団としてのステータスをさらに高めたとし「他球団のオーナーはドジャースとは戦えないと不満を言うかもしれないが、スターぞろいのドジャースが遠征で来たときは、チケットが売れると喜ぶじゃないか」と皮肉った。
「ササキを壊すな」
もちろん、恨み節でもなくお祭りムードでもなく、冷静な視点でドジャースと佐々木の今後の課題を指摘したメディアもあった。「ジ・アスレチック」のケン・ローゼンタール記者は「ドジャースに注意喚起したい。ロウキ・ササキを壊すな」と提言。「投手のケガは野球界全体の大きな問題。しかもドジャースは昨季、12人もの先発投手を負傷者リストに入れる結果となった。ササキにケガをさせないことが何よりも重要。球団は最小限の金額でダイヤの原石を得たようなもので、最大限の注意を払って彼を扱わなければならない」と注文をつけていた。