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プレミア12・侍ジャパン完封負けの理由は「打てなかった」だけでなく…牧秀悟や桑原将志たちが感じた台湾代表の「本当の強み」とは?―2024下半期読まれた記事
text by
佐藤春佳Haruka Sato
photograph byNanae Suzuki
posted2024/12/23 06:00
バルセロナ五輪以来32年ぶりの主要国際大会の決勝戦で日本を破った台湾。侍ジャパンメンバーが感じたその強さとは
「試合前に、投げてくる順番も当てていましたし、(元NPB所属の)2人に関してはデータもいっぱいあった。その対策もスコアラーさんと話しながらやっていたんですが、それ以上に相手のゾーン勝負にやられてしまった。
彼らが、というか台湾代表のピッチャーは今大会、相手バッターの弱点は関係なしに自分で行けるボールをどんどんゾーン内に投げ込むというスタイルで投げている。日本のバッターも真っ直ぐに反応はできていたけれど、それがファウルになったり少し押し込まれたりしてしまった」
確かに決勝で台湾の投手たちは軒並みゾーン内に力強い球を投げ込み、ほぼストライク先行で試合を進めていた。日本に対して挑戦者の立場であっても、大一番で堂々と真っ向勝負を見せられたところに台湾チームの強さがあった。
桑原が感じていた台湾の強みとは?
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もう一つ、興味深い点を口にしたのは台湾との2試合に1番打者としてフル出場した桑原だ。
「自分たちが打線となって戦うことができなかった。僕も個人的に打てなかったのでそれは力不足だと思います。でも僕が台湾に一番勢いを感じたのは守備の部分なんです。台湾は守備で雑なところが全くなかったし、要所で本当にいいプレーをしていた。僕は個人的にベンチでそういう守備を見ながら、嫌な流れだな、これで流れが台湾に行ったかなという思いで見ていたんです」
守備から流れを掴む
例えば日本の4回の攻撃。2死一塁で牧が放った一、二塁間への当たりに対して、台湾のセカンドは守備シフトの逆を突かれながらも飛びついて捕球し、素早い一塁送球でアウトにしている。その直後の5回、台湾は先頭の林家正(リン・ジャーチェン)が先制ソロ。さらに陳傑憲(チェン・ジェシェン)が右翼席に3ランホームランを放ち一挙に4点を奪った。所属のDeNAでは、ソフトバンクとの日本シリーズで勝負の流れを大きく変える守備の好プレーを連発した桑原だけに、余計に敏感に感じた「守備から流れを掴む大切さ」だったのだろう。
台湾の守備について、金子コーチはこんな見方を示している。