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「国体」から「国スポ」へ…変わったのは名称だけでない? 佐賀県知事・山口祥義が語る“SAGA2024の挑戦”「日本のスポーツ界に一石を…」 

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松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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photograph by佐賀県

posted2024/10/01 11:00

「国体」から「国スポ」へ…変わったのは名称だけでない? 佐賀県知事・山口祥義が語る“SAGA2024の挑戦”「日本のスポーツ界に一石を…」<Number Web> photograph by 佐賀県

SAGA2024では、国体ではなかったナイトゲームも実施される

 2018年、「人材育成」「就職支援」「練習環境の充実」を重点とした基本方針を策定。佐賀から世界に挑戦するトップアスリートの育成を通じてスポーツ文化の裾野を拡大し、次世代トップアスリート育成の好循環の確立を目指す「SAGAスポーツピラミッド構想(SSP構想)」に取り組んできた。アスリートの育成にとどまらず、スポーツをする、観る、支えるなど様々な形で県民が参加し、スポーツ文化を広げるとともに地域振興にもつなげるものだ。

 その取り組みにおいて象徴的なのは2020年の出来事だ。コロナ禍で次々に高校スポーツの大会が中止になる中、約2カ月にわたり高校スポーツの総合大会「SAGA2020 SSP杯 佐賀県高等学校スポーツ大会」を開催したのだ。

「高校生アスリートたちと話をしたのですが、一生懸命取り組んできたのに試合ができないまま卒業するのは辛いわけです。やはりスポーツは試合があって、勝ち負けという結果が出て、それをその後の人生に活かしていくのが何よりも大切なので、試合そのものがなくなるなんてアスリートには耐えがたいことだと思うんです。医師会も含めてみんなで話し合って、実現に至りました」

 スポーツ界での反響は大きかった。開催を喜ぶ声もたくさんあった。困難な状況にあって開催にこぎつけたことはスポーツへの熱意を物語っている。SSP杯は継続され、今年5回目を開催した。

 スポーツへの取り組みはそのほかの事例にもみられる。

「日本フェンシング協会や日本山岳・スポーツクライミング協会と連携協定を結び、県内施設を強化の拠点や試合会場として使ってもらっています。こういった取り組みもさらに広げて、もっと多くの競技で佐賀を拠点化できればと思っています」

スポーツで稼げるアリーナ

 それらの土台の上に、SAGA2024がある。

「SAGA2024は通過点です」

 山口知事は語る。

【次ページ】 スポーツで稼げるアリーナ

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