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夏の甲子園「勝利数番付2024」最注目は大阪桐蔭でも早実でもなく…“もう少しで番付入り”京都国際優勝が象徴する新興勢力の台頭ぶり 

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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photograph byHideki Sugiyama/Kou Hiroo

posted2024/08/31 17:01

夏の甲子園「勝利数番付2024」最注目は大阪桐蔭でも早実でもなく…“もう少しで番付入り”京都国際優勝が象徴する新興勢力の台頭ぶり<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama/Kou Hiroo

2024年大会を終えての「夏の甲子園・勝利数番付」。どんな変化が起こった?

 昨年の和歌山大会初戦で敗退して大きな話題となった智辯和歌山は、今季は2年ぶりに甲子園に出場したものの初戦で霞ケ浦に惜敗した。

 さらに数年前まで「無双状態」だった大阪桐蔭は今夏、1回戦で沖縄の興南を下したが、2回戦で石川の小松大谷に零封された。両校ともに伝統的に「圧倒的な打撃力」が売りだったが、反発係数の低いバットになってアドバンテージが小さくなったのも1つの要因と言えるかもしれない。

 2023年の番付と比較して「新入幕」はなかった。夏の甲子園は優勝しても最大で6勝しか積み上がらない。1世紀以上の歴史の中で、名門校への番付を上がるのは至難の業なのだ。

 ただ十両では昨年、107年ぶりの優勝を果たした神奈川の慶應が5勝を積み上げ、2023年大会前の時点で東幕下4枚目だったのが、東十両5枚目に昇進した。また、東東京の関東一も今夏4勝して、準優勝。東幕下5枚目から幕下筆頭になった。

「名門・常連」よりも新興校の台頭が目立つ

 最近の傾向としては「名門」「甲子園常連校」と言われる高校がやや伸び悩み、新興校の台頭が目立つ。

 その筆頭格が、鹿児島の神村学園だ。

 2005年春に初出場したが、昨年夏は準決勝まで進出。今春の甲子園も出場し、4勝している。鹿児島と言えば、樟南、鹿児島実、鹿児島商などの伝統校の名前が浮かんでくるが、今や勝利数でこれに迫っている。

 三段目最後に顔を出した大分の明豊は、2021年から夏は4回連続、春も2回甲子園に出場。2021年春は決勝で神奈川の東海大相模に惜敗。今年は初戦で石川の小松大谷に負けたが、大分県では頭一つ抜けた存在になっている。

 こうした「新興校」は名門校の指導者を招聘し、先人が蓄積した育成法を学んだうえで、独自の強化策を取り入れている。名門校よりも「決断と実行」が早く、進化してきた印象だ。

【次ページ】 京都国際の校歌が話題の中で…多様化も番付のポイント

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