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夏の甲子園「勝利数番付2024」最注目は大阪桐蔭でも早実でもなく…“もう少しで番付入り”京都国際優勝が象徴する新興勢力の台頭ぶり

posted2024/08/31 17:01

 
夏の甲子園「勝利数番付2024」最注目は大阪桐蔭でも早実でもなく…“もう少しで番付入り”京都国際優勝が象徴する新興勢力の台頭ぶり<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama/Kou Hiroo

2024年大会を終えての「夏の甲子園・勝利数番付」。どんな変化が起こった?

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広尾晃

広尾晃Kou Hiroo

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 第106回全国高等学校野球選手権大会は、京都国際の初優勝で幕を閉じた。低反発の金属バットを使用して初となる夏の甲子園であり、酷暑対策として朝・夕の2部制など試合開始時間を変更した。様々な意味で「球史に残る」大会だったと言える。

 当コラムでは、甲子園の勝利数に基づいて番付を作ってきた。これまでは大会前に作成していたが、今回は最新106回大会を終えて、通算での勝利数順で作成した。中部地方以東を東、関西以西を西とした。「愛知県が東なのか?」という声を頂戴するが、高校野球は伝統的に「西高東低」で、ここで区切らないと番付が作れない――ということでご理解いただきたい。

中京大中京、早実は今夏出場。PLは軟式野球部も…

 東西通じての最多勝、東の横綱は、依然、愛知の中京大中京である。

 通算79勝、優勝7回ともに圧倒的。ただし夏の甲子園は2017年以降ブランクがあり、勝利数も2015年夏の2回戦、鹿児島実戦が最後だった。しかし、今年の愛知大会では、決勝で東邦を7-3で下し、7年ぶりに夏の甲子園に出場。1回戦で宮崎の宮崎商に勝って勝利数を79に増やしたものの、2回戦で鹿児島の神村学園に敗退した。

 西の横綱は京都の龍谷大平安。こちらは2018年大会が最後の出場である。この年、鳥取の鳥取城北と青森の八戸学院光星に勝って2勝を上乗せしている。今年は京都大会準決勝で、全国優勝した京都国際に1-11で敗退した。

 両横綱ともに、昔は「中京」「平安」で名前が通っていたが、今は大学の系列校、関係校になって校名が変わった。

 東では関脇の西東京の早稲田実が2015年、あの清宮幸太郎の時代以来9年ぶりとなる夏の甲子園に出場を果たした。1回戦で徳島の鳴門渦潮、2回戦で山形の鶴岡東を破り、3回戦では島根の大社と今季屈指の名勝負を演じて敗退した。しかし勝利数で大関の宮城、仙台育英にあと「1」と迫っている。

 毎度言及しているが、西の小結、大阪のPL学園は2017年に大阪府高野連から脱退して野球部は休部となっている。軟式野球部は活動を続けてきたが、今年限りで休止するという。再開への道はますます遠くなった印象だ。

智辯和歌山と大阪桐蔭の足踏み…バットも影響?

 三役に駆け上るかと思えた和歌山の智辯和歌山と大阪の大阪桐蔭は、足踏みが続いている。

【次ページ】 「名門・常連」よりも新興校の台頭が目立つ

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