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バスケ五輪代表・富永啓生(23歳)はなぜ「高卒→アメリカ行き」を決断できたのか…「尊敬している」渡邊雄太がかけた“ある言葉”とは? 

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富永啓生

富永啓生Keisei Tominaga

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photograph byKiichi Matsumoto

posted2024/07/27 17:00

バスケ五輪代表・富永啓生(23歳)はなぜ「高卒→アメリカ行き」を決断できたのか…「尊敬している」渡邊雄太がかけた“ある言葉”とは?<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

日本代表へのモチベーションは高いという23歳の富永啓生。昨年のW杯では渡邊雄太の「引退宣言」も背中を押したという

 つまり、ワールドカップに出場するアジアの国の中で最も良い成績を残すことができれば、日本はパリオリンピックへ出場することができるということになる。

 個人としてもチームとしても目標が明確だったおかげで非常にモチベーションを上げやすかったのだが、大会直前に僕のモチベーションをさらに上げる出来事があった。

渡邊雄太「代表引退宣言」の意味

 雄太さんが「今回のワールドカップでパリオリンピックの切符を取れなければ代表を引退する」と宣言したのだ。

 僕は小さい頃からアメリカでプレーするという夢を持っていたが、ただNBAが好きなだけだったので、日本にいた頃は実際のアメリカの生活について何の知識も無かった。だからジョージ・ワシントン大学時代の雄太さんのドキュメンタリーに映っていた景色が僕にとってのアメリカだったし、あの光景に憧れて実際にアメリカに来た。

 アメリカ行きを決断する前に雄太さんからもらった、「周りから何て言われようと、決めるのは自分だから」というアドバイスもありがたかった。

 選手としてももちろん尊敬している。特にNBAという世界一タフなリーグで、常に崖っぷちに立たされながらも何度も這い上がるそのメンタルの強さはすごいとしか言いようがない。フィンランド戦後に、「雄太さん、まだまだ引退させませんよ」と河村が雄太さんに言ったというのがニュースになっていたが、チーム全員が同じ気持ちだったと思う。

 僕たちが高いモチベーションを持って大会に臨めた理由の一つに、雄太さんの引退宣言があったというのは間違いないだろう。

 結果から言えば、僕たち男子日本代表は48年ぶりに自力でのオリンピック出場を決めた。

 これを読んでいる方の多くはテレビで、人によっては現地でワールドカップを応援してくれていただろうから試合の詳細については省くが、僕の視点から印象に残っていることを書こうと思う。

<次回へつづく>

#2に続く
同い年の河村勇輝から「打ち続けるのがトミーの仕事だから」と…パリ五輪バスケ代表・富永啓生(23歳)が振り返る“スランプ”からの脱出劇

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