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「ヒナコはどこ住んでるのー?」渋野日向子の“復活スマイル”を引き出した31歳のタイ人ゴルファー「“鬼滅の刃”はヒナコより詳しいデス」
text by
南しずかShizuka Minami
photograph byAP/AFLO
posted2024/06/12 07:00
先日の全米女子オープンで久しぶりの優勝争いを演じた渋野日向子。緊迫した空気の中、同組のミーチャイとのラウンドを楽しんだ
ミーチャイは、アメリカ参戦9年目の31歳。まだ米ツアー未勝利。メジャー大会で堂々と優勝争いを演じたが、そもそもこんな経験は初めてだった。
「もう緊張しっぱなしで、全然眠れなかったです」
しかも、開催コースのランカスターCC(米ペンシルバニア州)は距離が長く、コース内のアップダウンが激しい。グリーンの難易度も高く、まさにゴルフの技量が試される最高峰の大会に相応しいセッティング。公式会見でトップ選手らが「すごく難しい」と口を揃えた。
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ただ、ミーチャイは自分のゴルフスタイルに合っていると感じていた。
「アグレッシブに攻めるゴルフより耐える方が得意なので」
その言葉通り、初日から上位に顔を出したミーチャイは2日目に単独首位に。3日目を終えた時点では、渋野を2打も上回る首位タイで最終日を迎えていた。
「アニメ以外にもいろんなことを話しました」
ミーチャイもまた緊張が極限に達していた。そこで笑顔をもたらしてくれたのが、同組の渋野だった。歴代メジャー王者の一人ながら、明るいキャラクターはアメリカでも健在。日本に旅行したこともあるミーチャイにとっては話しやすい存在だった。
「ゴルフから少し気がまぎれるし、同組の選手と話をするのは好き。日本に行ったことあるから、ヒナコに『日本のどこに住んでるのー?』と聞いたりして。アニメ以外にもいろんなことを話しました」
残念ながらミーチャイは最終日にスコアを7つも落としたが、通算2オーバーでメジャー自己最高位となる6位タイ。最終ホールを終えると、渋野とハグしてお互いの健闘を讃えあった。
「自分のゴルフキャリアのハイライトと言ってもいいかもしれない。悔しさもありますが、素晴らしい経験でした。年齢的なことを考えたら、メジャーで優勝争いできたのは、最初で最後だったかもしれない(笑)」