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ボクシングPRESSBACK NUMBER
“井上尚弥vs中谷潤人”は実現するか? あのネリ戦を目撃した中谷本人が明かす「モンスターへの本音」 弟・拓真との統一戦を熱望する理由
text by
森合正範Masanori Moriai
photograph byKiichi Matsumoto
posted2024/05/31 17:03
「井上尚弥vsルイス・ネリ」東京ドームの激闘を現地で観戦した中谷潤人にインタビューを実施した
中谷が語る「僕の強み」
中谷は稀有なボクサーだ。身長172センチ、リーチ176センチを生かした離れたボクシングだけではなく、接近戦でも器用に手を畳んでショートアッパーなどのパンチを放つ。
「遠い距離でも近い距離でもできる、というところは自信がありますね」
中学卒業後に単身渡米。そこでトレーナーのルディ・エルナンデスから接近戦を指導された。近い距離は相手のパンチも届くため、危険だ。より集中して動きを止めない、手を出さずにブロッキングだけで凌ぐ、といった条件をつけて練習することも多かった。徹底的に磨き、いまや離れてよし、近づいてもよし。対戦相手や戦況に応じて闘い方を変えている。
「ボクシングは相手が嫌がることをやらないといけない。遠い距離が嫌なら離れて、近い距離が嫌なら近づいて、両方できるのは僕の強みだと思っています」
井上尚弥戦、その先の“PFP1位”へ
WBC世界バンタム級王者の中谷は7月20日に東京・両国国技館で、同級1位の指名挑戦者ビンセント・アストロラビオ(フィリピン)を相手に初防衛戦を行うことが発表された。
「相手はコンパクトに打っているけど、パンチがある選手。外なのか、中なのか。距離をずらしたりして対応できる自分をつくってきている。強い中谷潤人を見せて、より期待を持ってもらえるように、と思っています」
一戦一戦が井上尚弥へとつながる道。その先に中谷の大きな目標であるPFP1位がある。現在、「ザ・リング」が選定するPFPは井上が2位で、中谷が10位。日本人対決という枠を超え、世界が注目する「最強」の座を懸けた闘いとして実現すれば面白い。
《インタビュー第1回も公開中です》
(撮影=松本輝一)