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世界No.1ゴルファー“衝撃の逮捕劇”なぜ起きた? 警官が負傷、危険運転など4つの容疑で緊急連行「ゴルフ場の前で手錠を…」SNSは賛否両論
text by
舩越園子Sonoko Funakoshi
photograph byGetty Images
posted2024/05/22 17:01
全米プロ2日目、会場の目の前で緊急逮捕された世界ランク1位のスコッティ・シェフラー(27歳)。温厚なシェフラーがまさか囚人服を着ることになるとは…
警察側の説明によると「容疑者(シェフラー)は『止まれ』の指示に従わず、車を加速させながら前進。車を止めようとした警官は車に引きずられて膝や手首を負傷。病院へ搬送された。80ドル相当のユニフォームは修繕不能なほど擦り切れた」とのこと。
午前6時35分。シェフラーは車から出され、手錠をかけられた。警官への暴行や危険運転など4つの容疑で逮捕され、拘置所へ連行された。オレンジ色の囚人服を着せられ、顔写真も撮影された。その写真は瞬く間に世界中へ拡散された。
しかしながら、それから約2時間後の午前8時40分にシェフラーは自由の身となり、今度は警官にエスコートされながら9時12分にバルハラへ到着。事故渋滞の影響で遅延されていた自身のスタート時間10時08分にティオフし、スコアを5つ伸ばす快進撃で前日の12位タイから4位タイへ急浮上した。
「怒り」よりも「ショック」
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第2ラウンド終了後。会見に臨んだシェフラーは「詳しいことは言えない」としながらも、想像すらしたことがなかった体験を饒舌に語った。
「僕はひたすら『ソーリー』と謝り続けた」
「警察車両の中で警官は僕の気持ちを落ち着かせようとしてくれた。拘置所の警官も親切で、僕が誰だかわかってからは、さらに親切になった」
「怒りは覚えなかったけど、ただただショックだった。自分が拘置所に入れられることなど想像すらしたことがなかった」
「落ち着け、落ち着けと自分に言い聞かせていたが、終始、体は震えていた」
文字通り、拘置所の監房に入れられたシェフラーは「試合に戻れるのか?スタートに間に合うのか?」と、そればかりを考えていたそうだが、頭が混乱していたのか、「自分のスタート時間は忘れてしまっていた」。
しかし、試合を棄権しようとは一度も思わなかったという。