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「お前はやるべきじゃない」と言われても…800m日本王者は、なぜ箱根駅伝(約20km)に挑んだ? 田母神一喜が語る“異例の転向”の真相―2024上半期読まれた記事 

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小堀隆司

小堀隆司Takashi Kohori

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2024/05/05 06:00

「お前はやるべきじゃない」と言われても…800m日本王者は、なぜ箱根駅伝(約20km)に挑んだ? 田母神一喜が語る“異例の転向”の真相―2024上半期読まれた記事<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

2021年の日本選手権で800m王者となった田母神。中大時代は20kmの長距離を走る箱根駅伝に4年時エントリーされたが、何が起きていたのか

「疲労もけっこう来ていて、12月半ばからの最終合宿で調子を上げられなかった。監督たちも迷ったと思います」

 監督が区間エントリーを決めたのは、12月28日のこと。10区に起用されたのは、尻上がりに調子を上げてきた、同じ4年生の二井康介だった。

 約半年間、箱根出場だけを目指して努力してきたが、その思いは叶わなかった。

先輩、一緒にゲームやりましょうよ

 田母神が寮の部屋で涙を拭っていると、「先輩、一緒にゲームやりましょうよ」と後輩たちがやってきた。彼らなりの励まし、気遣い、それが嬉しかったと話す。

「でも、僕の部屋の前にスリッパがたくさん並んでいて、ゲームに気づいた監督から『こんな時に何やってんだ』ってめちゃくちゃ怒られました(笑)」

 なかなか気まずい年末を迎えたと言うが、年が明ければ、大一番が待っていた。

 <つづく>

#5に続く
「お前らは中大の恥だ」という電話も…箱根駅伝の名門“まさかの予選落ち”、1年生主将&副主将が直面した伝統校の重責「誹謗中傷はかなりありました」―2024上半期読まれた記事

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