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「お前はやるべきじゃない」と言われても…800m日本王者は、なぜ箱根駅伝(約20km)に挑んだ? 田母神一喜が語る“異例の転向”の真相―2024上半期読まれた記事 

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小堀隆司

小堀隆司Takashi Kohori

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2024/05/05 06:00

「お前はやるべきじゃない」と言われても…800m日本王者は、なぜ箱根駅伝(約20km)に挑んだ? 田母神一喜が語る“異例の転向”の真相―2024上半期読まれた記事<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

2021年の日本選手権で800m王者となった田母神。中大時代は20kmの長距離を走る箱根駅伝に4年時エントリーされたが、何が起きていたのか

「中距離の選手にとって箱根の20kmの距離はもう別物で、たとえて言うなら100mの選手が5000mを走るくらいの感覚なんです。中距離で世界と戦うには1km2分40秒を切るくらいのスピードが求められるんですけど、箱根はむしろ1km2分55秒とかでずっと押し切らないといけない。まったく違うんです」

 1カ月に走り込む距離は3倍以上に増えた。オーバーワークになって熱を出し、監督にダメ出しをされたこともある。舟津も調子を崩しており、夏合宿に4年生が誰も参加できないというまずい時期もあった。それでも夏合宿の後半から調子を上げていくと、9月にはAチームで練習を積めるようになった。変化は突然表れたという。

10区の起用をほのめかされていた

「9月の北海道合宿でいきなりですね。16km走があったんですけど、突然チーム内で5番とか6番で上がれて、舟津と同着ぐらいでゴールできたんです。その時やっとチームメイトから認められた気がして、自分でも手応えを感じられました」

 10月の箱根予選会は欠場したが、チームは辛うじて10位通過。11月の上尾ハーフで、田母神は1時間4分台に迫る1時間5分フラットの好タイムをマークする。さらに12月の10000m記録会で29分30秒91の自己ベストを出し、いよいよ箱根に向けて準備は整った。

 この時点で、監督からは10区の起用をほのめかされていた。4年生が覚悟を持って最後の区間を締めくくる。狙うのはもちろん、8年振りのシード権獲得だった。

10区に起用されたのは、同じ4年生の…

 だが、短期間でむりやり長距離仕様に足を作りかえてきた無理がたたったのか、直前で田母神は調子を崩してしまう。

【次ページ】 先輩、一緒にゲームやりましょうよ

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