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中国選手がまさかの涙…女子卓球日本はなぜ“最強・中国”を追い詰められたのか? 張本美和、平野美宇が試合後に語った「悔しさ」の正体 

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松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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posted2024/02/26 11:03

中国選手がまさかの涙…女子卓球日本はなぜ“最強・中国”を追い詰められたのか? 張本美和、平野美宇が試合後に語った「悔しさ」の正体<Number Web> photograph by AFLO

中国との決勝、最終5戦目に登場し五輪金メダリストに肉薄した張本美和(15歳)

中国選手が涙…日本は王者をこう追い詰めた

 それでも中国の位置、これまでの成績を踏まえれば、一歩先に進むことができた、大きな一夜であったのは言うまでもない。優勝を決めたあと、孫穎莎や試合中は感情を露わにすることのなかった陳夢が涙を流したことも、日本からのプレッシャーを物語っている。

 試合を終えて、平野は言った。

「今までは負けてもどこかで『しょうがない』という気持ちになってしまった部分はあったのですが、こんなに悔しいのは初めてだと思います」

 それは手ごたえを感じたからこその言葉だった。

 コートサイドから声援を送り、またアドバイスを送り続けた伊藤はこう語った。

「私が出場している中でも、過去最高に中国を苦しめたんじゃないかと思います」

 早田もまた、手ごたえを得ていた。

「ここまで競った試合ができたのは自分たちの成長かなと思います」

 あと一歩まで迫ることができたのは、まぎれもなく日本の選手たちの成長であり進化の結果だろう。

日本卓球はいかに中国に迫ってきたのか?

 1980年代、普及と育成を目的に小学生以下によるホープス、小学4年生以下のカブなど年代別の全国大会が設けられ、2001年には、小学生のナショナルチームを結成し合宿を重ねるなど育成に注力した。一方で幼少期から猛練習を積み重ねることで台頭する選手たちもいた。それらが相まって強化が進んだ。2012年、石川佳純が小学生たちを見て、「私が小学生だったときより、みんな基本がしっかりしています。ミスが少ないし、すごいなと思います」と語っていたが、その言葉も卓球界のレベルが向上していることを示していた。

 2000年代以降には世界選手権団体戦でメダルの常連国と言っていい成績をおさめるようになり、「打倒中国」が卓球界全体の目標として焦点を結んでいった。中国から指導者を招へいし、あるいは中国のリーグに参戦して成長を志す選手もいて、その中から、中国勢に食い下がる選手が現れていった。

 2017年のアジア選手権シングルスでは平野が世界ランク1位(当時)の丁寧をはじめ3選手を撃破して優勝、衝撃を与えた。

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