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中国選手がまさかの涙…女子卓球日本はなぜ“最強・中国”を追い詰められたのか? 張本美和、平野美宇が試合後に語った「悔しさ」の正体

posted2024/02/26 11:03

 
中国選手がまさかの涙…女子卓球日本はなぜ“最強・中国”を追い詰められたのか? 張本美和、平野美宇が試合後に語った「悔しさ」の正体<Number Web> photograph by AFLO

中国との決勝、最終5戦目に登場し五輪金メダリストに肉薄した張本美和(15歳)

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松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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 激闘だった。そして新たな歴史を開いた夜でもあった。敗れたとはいえ、そう言ってさしつかえない戦いを見せた。

 2月24日、世界卓球選手権女子団体決勝。5試合制で先に3勝した方が勝利するシステムのもと、日本は中国に2-3。あとわずかなところで優勝に手が届かなかった。それでも称えられるべきなのは、中国の圧倒的な強さにある。この大会を迎えるまで5連覇中であるのをはじめ、中国が抜きんでた存在であるのは広く知られる。

 日本は2010年に準決勝で対戦、2014年以降は毎回決勝で対戦してきたが2010年、2014年、2016年、2022年の4回は0-3でストレート負け。勝利したのは2018年の決勝で伊藤美誠が劉詩雯を破った1勝があるのみだ。

 だが今回は違った。

中国相手に2勝、激闘となった決勝戦

 世界ランク1~3位の3人を並べた中国に対し、日本は準決勝と同様、第1試合に張本美和を起用。孫穎莎に0-3と敗れたものの、第2試合で早田ひなが東京五輪金メダルの陳夢に第1ゲームを先取されるも、第2ゲーム以降は多彩なサーブやフォアでの積極的な攻めなどで3ゲームを連取して勝利する。

 第3試合は平野美宇と王芸迪。平野はバックハンドの打ち合いなど随所で相手を上回り、ストレート勝ちをおさめた。

 2-1とリードしたが、中国もそのままでは引き下がらない。第4試合は早田ひなと孫穎莎。両チームのエース対決となったが、世界ランク1位で昨年の世界選手権金メダルの孫穎莎はさすがに強かった。0-3で敗れる。

 最終第5試合は張本美和と陳夢。初対戦であることから陳夢も対応が遅れたか、張本が第1ゲームを先取。ただそこからはさすがに金メダリストだった。表情を崩すことなくサーブで揺さぶるなどして辛抱強く張本のミスを誘い、第2ゲーム以降を獲り、結果、日本の2勝3敗、中国が6連覇で終えた。

【次ページ】 中国選手が涙…日本は王者をこう追い詰めた

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