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大谷翔平が残留しても…「トラウタニ」解体は不可避? 意味深すぎるトラウトの“トレード容認”「早くも移籍先にフィリーズの名前が…」
text by
四竈衛Mamoru Shikama
photograph byGetty Images
posted2023/10/05 06:01
WBCでも対戦し、エンゼルスではアベック弾で何度も共演してきた大谷翔平とトラウト。大谷の残留だけでなく、トラウトの「生涯契約」も揺らいでいる
トラウトもDHで起用となると…
だが、エンゼルスはこれまで幾多の補強を繰り返しても上位争いから脱落し、14年を最後に9年連続でポストシーズン進出を逃してきた。現時点では、推測の域を出ないが、このまま低迷期が続くようであれば、トラウトが自ら「勝てるチーム」への移籍を望んでも不思議ではない。
エンゼルスにとっても、チームの「顔」とはいえ、トラウト放出は、マイナス面ばかりではない。トレードを進める場合、残り7年の年俸総額から最低でも100億円程度の負担を要する一方で、交換要員として確実に複数人のトッププロスペクト(若手の有望選手)を獲得できる。今季だけでなく、過去数年間、相次ぐ故障で長期離脱を繰り返してきた32歳のトラウトに、今後7年間、MVP級の活躍を期待することが難しくなってきたことも否定できない。実際、12年に49盗塁でタイトルを取った走力の低下は顕著で、過去4シーズンは年間2盗塁以内と、決して「俊足」とは呼べなくなってきた。長丁場のシーズンでは、中堅の守備負担軽減のため「DH」との併用も必要な時期に来ており、かりに「DH」専属となる大谷が残留となれば、それも困難になる。となれば、トラウト自身の意思を含め、エンゼルスがトレードを視野に入れ始めたとしても不自然ではない。
7月上旬の骨折を経て、8月22日に復帰したトラウトは、わずか1日で痛みが再発。負傷者リストへ逆戻りし、そのまま、シーズンを終えた。
「復帰したかった。自分にとってつらいことだった。望んでいた位置に行けなかった。夏の途中までは良かったが、うまくはいかなかった」
トラウトが語った「今後」
8月1日のトレード期限前、「買い手」に回り、複数選手を補強しながらエンゼルスは大失速し、トラウトがリスクを承知で早期復帰する理由もなくなった。
そんなチーム事情の中、「トレード容認」の一報が流れたのは、果たして偶然だろうか。