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自由な髪型も話題を呼んだが…甲子園「スポーツ紙報道」に考える“高校野球らしさ”の罠「矛盾があるから盛り上がる。論争も起きやすい」 

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プチ鹿島

プチ鹿島Petit Kashima

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posted2023/09/01 17:01

自由な髪型も話題を呼んだが…甲子園「スポーツ紙報道」に考える“高校野球らしさ”の罠「矛盾があるから盛り上がる。論争も起きやすい」<Number Web> photograph by JIJI PRESS

夏の甲子園は慶應高校の優勝で幕を閉じた

 暑さ対策と言えば7月末に松井秀喜氏が「提言」をしていました(スポーツ報知7月25日)。野球の未来について読者の質問に答えるなかで、「高校野球も時代の変化とともに変わった方が良いと思います。真夏の酷暑の中で連日、試合をやったら体への負担は避けられません」と語っていた。

 そして「課題は日程だと感じますね」と言い、「夏の甲子園は前半、後半のような2部制にすれば負担は軽減されるのでは」と私案を述べていた。10代の選手が野球を楽しく長く続けられるようにという思いからの提案だ。やはり体験者の声は重みが違う。こういう記事や企画は続けてほしい。

「高校野球らしさ」の罠

 今大会の優勝は慶応でした。慶応の躍進にあれだけ沸いたのは「先進的な取り組みをする学校が勝ってくれた」という思いが報じる側になかったか? これでしばらく高校野球のめんどくさい部分は相殺されるとホッとした部分はなかったか?

『“常識覆した”森林監督が高校野球に新風』(スポニチ8月24日)

 決勝翌日のこの記事を読むと、

「高校野球の新たな可能性や多様性を示せればいいなと思い、常識を覆すという目的に向けて日本一を目指してきた」

「指導者の指示通りに動くだけでは、高校野球は人材育成の場として物足りない。高校野球の中で個性や多様性を追求していくことが必要」

「優勝し、新たな高校野球の形を示すことが一番格好いい」

 という慶応・森林貴彦監督の言葉が紹介されていた。新鮮ですが今まで現場ではどれだけ「非常識」「理不尽」がはびこっていたのかも想像させてくれる言葉だ。そして我々の側も「高校野球らしさ」を間違えたまま勝手に許容していなかったか突きつけられる。

【次ページ】 「自由な髪型」も話題を集めたが…

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