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大谷翔平は自ら“審判室”へ向かっていき…投打に大影響の“ピッチクロック”は成功なのか? 当事者たちのホンネ「正直、間違いなくキツイ」

posted2023/06/19 06:00

 
大谷翔平は自ら“審判室”へ向かっていき…投打に大影響の“ピッチクロック”は成功なのか? 当事者たちのホンネ「正直、間違いなくキツイ」<Number Web> photograph by Getty Images

4月5日のマリナーズ戦、ピッチクロック違反を宣告された打者・大谷

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四竈衛

四竈衛Mamoru Shikama

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 投球間隔を限定する「ピッチクロック」が導入されて2カ月が経過した。「走者なしの際は15秒、走者ありで20秒以内」と制限されたことで、試合のテンポは明らかに変わった。現時点でのサンプル数は少ないものの、5月11日時点で平均試合時間は去年の3時間5分から2時間37分へと28分短縮された。

 野球特有の「間」や「駆け引き」が封じられることもあり、開幕前は反対意見も多かった。実際、導入前の採決で選手会側は反対票を投じた。だが、オーナー、機構側の賛成票が上回ったため、半ば強引に導入が決定した。

 開幕当初は、戸惑いの声も聞かれた。開幕戦で違反第1号となったカブスのマーカス・ストローマンは、率直な思いを口にした。

「時計を見なきゃならないし、正直なところ、試合に新たな側面が加わって、間違いなくきつい。マウンドで焦りを覚える場面が起きるのは、どう考えても楽じゃない」

 4月5日、「二刀流」で出場したエンゼルスの大谷翔平は、投手として「ボール」、打者として「ストライク」と「投打」で違反を取られた史上初の選手となった。試合後には、自ら審判室へ足を運び、規定を再確認するなど、対応に追われた。

野球ファンの「7割」がピッチクロックに賛成

 その一方、時間短縮が顕著になったことで、選手たちも次第に受け入れるようになってきた。サイン交換では電子機器「ピッチコム」の使用が認められるようになったこともあり、バッテリー間の伝達が簡略化された。大谷だけでなく、パドレスのダルビッシュ有、メッツのマックス・シャーザーら有力投手が使用するなど、各選手が適応したことで、ここまでは大きな混乱も来していない。

「モーニング・コンサルト社」の調査によると、野球ファンの7割が、ピッチクロックに賛成しているとのデータも報じられた。

 一定の効果を得たことで、MLBコミッショナーのロブ・マンフレッド氏は満足そうにコメントを残した。

「新しいルールはスピードアップを生み出した。今シーズンがどうなって行くのか、わくわくしている」

 まずは無難なスタートを切った一方、シーズン終盤やポストシーズンの白熱した試合が、「ピッチクロック」違反で水を差されるような事態にならないことを願うしかない。

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