メジャーリーグPRESSBACK NUMBER
「ショウヘイが私をからかって(笑)」就任から1年、エンゼルス指揮官が明かす“大谷翔平の本当の人間性”「彼の近くにいるだけで幸運だよ」
posted2023/06/11 11:02
text by
笹田幸嗣Koji Sasada
photograph by
AFLO
6月7日。フィル・ネビン監督が前任のジョー・マドンに代わりエンゼルスの指揮官に就任しちょうど1年が経った。今季はここまで勝率5割以上を維持し、上位に必死に食らいついていこうとする姿勢がチームとして見える。ここ数年には見られなかった戦いができていることは評価してもいいだろう。ネビン監督はこの1年間をこう表現した。
「自分のしているこの仕事が好きなんだ。家があるこの素晴らしい場所でもあるからね。だから『my dream job』と呼んでいる。もちろん、もっと試合に勝てたらいいと思っている。我々はその計画の上にいる。それは間違いないことだ」
エンゼルスタジアムからわずか15キロの街プラセンシアで育ち、高校、大学ともに地元校に進学した生粋のサザンカリフォルニア・ボーイ。自身の仕事を「my dream job」と呼べる幸せ者はなかなかいないと思うが、臆面もなくこの言葉を口にできるネビン監督はおおらかな人物だと感じる。だが、そんな指揮官であっても、神経を使うタフな任務は多くある。そのひとつが大谷翔平の休養日をめぐるバトルだ。
常に聞かれ続ける「大谷にいつ休養日を与えるのか?」
5月19日から29日。大谷は10試合で2本塁打を放ったものの、37打数5安打、打率.135と打撃は低調だった。この間の登板2試合でも勝ち星に恵まれず流れの悪さも否めなかった。3月のWBCからフル回転し、開幕からの休養日は投打二刀流でありながらわずかに2試合。エンゼルスのレギュラー選手で最も少なかった。30日の試合前、報道陣は「大谷にはいつ休養日を与えるのか」と直球を投げ込んだ。
ネビン監督の答えは歯切れが悪かった。